渡辺大、コロナ禍では「僕も陽性になって、中等症で入院もしたんです」退院から2日後に舞台出演「やれると思っていませんでした」
バランスのよい長身から圧倒的なオーラを放つ、俳優の渡辺大。40歳になったばかりの現在、ドラマ、映画のほか舞台にも活動の幅を広げている。精力的に活躍する俳優としての顔のほか、俳優の渡辺謙、モデル、女優として活躍する杏を家族に持つという一面でも知られている。そんな渡辺さんのTHE CHANGEとは。【第5回/全5回】 ■【画像】185cmでスタイル抜群!渡辺大さん取材時のポートレート■ 近年、ドラマ出演が後を絶たない俳優の渡辺大さん。10代から20代前半は「オーディションにまったく受からないし、オーディションすら少なくなった」という辛酸を舐め、20代半ばになると、なぜか学生役をやることが多くなったという。「20代半ばくらいまで学生服を着ていましたからね」と、茶目っ気たっぷりに話す。 ーー林遣都さん主演の映画『バッテリー』(2006年)もそうですね。 「遣都のライバルチームのメンバーで、20代半ばで中学生役ですからね、わりとムリがありました(笑)。遣都は年相応でしたが、僕もそうだし、僕の相棒役も24歳くらいだったし。映画『偉大なる、しゅららぼん』(2014年)でも学生服を着させていただきました」 20代は「青春モードだった」が、30代で役柄のポジションががらりと変わったことを実感した。 「主役に相対する立場や犯人をやるにしても、それまでよりも悪さや残忍さが出たかな、と感じました。20代ではあまり出てこなかった感情ですが、30代になってから役として残忍なことが平気で思えるようになりましたね」
30代後半、役者として脂が乗ってきた時期にコロナ禍が
試練を乗り越え、仕事が軌道に乗っていた30代に、本当の試練がやってくることになる。2020年からの数年を覆った、コロナ禍である。 「36,37歳ごろですね。俳優としてなにもできない時期に、振り返ったんです。“これが終わったら、変えたい。役者としてもう一段階、トライしたい”と。どんなふうにしていけば、人はどう思ってくれるのか、日々の生き方や人との接し方、作品への対峙の仕方……そういったものをもう一度ブラッシュアップしていこうと思いました。あのときは、ひたすらチャージしていた時期でしたね」 ーー撮影はまったくなかったんですか? 「ほぼなかったし、ちょっとできた時期があっても、またストップして……の繰り返しでした」 奇しくも、初舞台を踏んだのは2021年4月。上川隆也や小池徹平らと共演した『魔界転生』は「楽屋挨拶もできないレベルで、人に会えなかった」と話す。 「公演直前、僕も陽性になって、中等症で入院もしたんです。病室は4人部屋で日本人が僕しかいなくて、とある人は医師や看護師さんの言うことを聞かないし、別の患者さんは電話をしちゃいけない病室でいつも夜中に泣きながら電話をしているし、それを聞いて僕も“夜中に勘弁してくれよ~”とちょっと泣いたりして(笑)、寝ているときは悪夢を見て眠れなくて。そんなことがあって退院した翌日にゲネプロがあって、その次の日が本番だったんですよ」