「信頼できない人間にはなりたくない」 42歳・真木よう子が守り続ける“マイルール”
“真木よう子=強い女性”像を今後は変化?「チャンスがあれば面白いことにも」
――あまり裏と表を作らないようにされているんですね。 「多分できないんだと思います(笑)。裏でワーワーやるくらいだったら、表でもワーワーしちゃおうみたいな感じです。全員に好かれようとは思っていないし、好かれるとも思っていません。それでも応援してくれる人たちを大切にしていけたらいいですね」 ――パブリックイメージみたいなものを意識することはございますか。 「私のイメージってこれまで“強い女性”みたいなものが割と先行しているなと感じています。でも実際は、家に帰ったらふざけるし、バカなこともやっています。どちらかというと“お笑い担当”みたいな部分もあるんです。コメディーで『あの人の作品に出たいな』と思うこともありますが、『真木よう子ってこんなことやらない』と思われているだろうなとも思います。チャンスがあれば面白いことにも挑戦していきたいです」 ――俳優をずっとやりたいという思いは今までもこれからも変わることのないものになるのでしょうか。 「演じることに疲れるとかはないのですが、ずっと人前に立っていることに疲れてしまう時はあります。どんどん新しい才能を持った人たちが出てくる中で、『自分はどのように携わっていけるんだろう』と考えることもあります。これまでに作り手側に回ってほしいというオファーをいただいたこともありました。今までは自発的にやろうと思うことはなかったのですが、いい機会ですし、勉強にもなるので、今後はやってみたいなと思い始めています。もちろん役者も続けていきたいですが、新しい人たちを応援してあげたいという気持ちが湧いてきています」 ――演じることにこだわらず、作品を作り上げる中でのいろんな携わり方を考えているということでしょうか。 「そうですね。新しい才能を見つけて、『この子を生かすにはどういう役が1番面白いか』とか考えたりしていきたいです。今も、私の事務所に所属している子がいて、そういったことを考えることもあるのですが、全く苦じゃないんです。自分のことよりも、若い人たちの才能をつなげていく役割に徹するのもいいかなと思っています」 ――そのような形が今後広がっていったら、役者との比重が変化していく可能性もあるということですね。 「いつまでも役者をやるかと言われたら、自分の中で確約は持てないんです。それよりも、いろんな作品を見ていて、『この人すごいな』と思う役者さん、監督さんや脚本家さんがいらっしゃるので、そういう人たちとのいろいろなつながりを作っていきたいですね。自分がどこのポジションでそれに携わるかには、そこまでこだわっていないです」 ――年齢を重ねられたからこそ、変化した価値観ですね。 「『今の若い子たちは』って言ってしまう大人もたくさんいらっしゃいますよね。その気持ちは分からなくもないのですが、自分が若い時のことを考えると、そう言われるようなものに熱中していたこともありますし、大事なことなんて後から分かってくると思うんです。『今はこれを通る時期なんだな』って分かるので、若い子たちにもそういった道をあえて通らせてあげたいんです。どうしても若い子を見ると、そういうお母さん的な考えになっちゃうんですよね。『あぁ、頑張ってほしいな』って(笑)」
中村彰洋