郷土の詩人・水上不二の功績しのぶ 宮城・気仙沼で生誕120年記念式典 市民ら150人、コーラスや朗読披露
気仙沼市大島出身の詩人、水上不二(1904~65年)の生誕120周年記念式典が15日、同市の気仙沼中央公民館であった。実行委員会と市教委の共催。市民ら約150人が参加し、郷土が生んだ詩人の生涯と功績をしのんだ。 地元のコーラス団体や歌手らが「海はいのちのみなもと」など不二の詩を題材にした曲を披露。読み聞かせグループは詩を朗読した。水上不二研究会の佐々木成之さん(65)は講演で「不二の作品には未来をつくる子どもたちや自然を大切にする思いが込められている」と強調した。 不二の作品をテーマにした作品感想画コンクール(研究会主催)の表彰式もあり、最優秀の市長賞に下学年の部は津谷小1年小野寺陽真莉さん、上学年の部は九条小5年内海愛子さんがそれぞれ選ばれた。 不二は北原白秋の影響を受け、教員生活の傍ら創作を続け詩人になった。童謡童話雑誌「昆虫列車」を創刊したほか、階上小、旧大島中など市内外の小中学校の校歌も作詞した。 研究会会長の菊田栄四郎さん(72)は「不二が残した<大島よ 永遠にみどりの真珠であれ>という言葉は今も島の象徴。これからも不二の思いを引き継いでいく」と力を込めた。
河北新報