名将亡き後も継承される仙台大学附属明成のカルチャー、畠山俊樹コーチ「ディフェンス、リバウンド、ルーズボールが原点」
終盤の追い上げ「明成高校のバスケットボール、高校バスケのすばらしさというのを見せてもらった」
ウインターカップ2日目の男子1回戦、仙台大学附属明成は福岡第一との強豪対決に65-76で敗れた。 6月、明成を率いていた高校バスケットボール界を代表する名将、佐藤久夫コーチが逝去された。後任に就任したのは同校OBで、明成がウインターカップ初優勝を果たした時の中心選手で5月までBリーガーだった畠山俊樹だ。 指導者として初のウインターカップに臨んだ32歳の若きコーチの下、明成は試合の立ち上がりで申し分のないスタートを切る。守備でプレッシャーをかけ、福岡第一の持ち味であるスピードを封じると、ゴール下の争いでも優位に立ち13-2とビッグランに成功した。 だが、ここから福岡第一にトランジションを出されて15-14と肉薄されて第1クォーターを終えると、第2クォーターには相手のフルコートで当たってくるディフェンスに対応できず。このクォーターで1-25と何もできずに前半を終えてしまう。 緊張することも多い初戦で、一度狂った歯車を元に戻すことは難しく、そのまま崩れてしまってもおかしくない。だが、明成は踏み止まり、第4クォーターには34-20と猛烈な追い上げを見せた。大量リードの中でも福岡第一は中心選手たちをコートに立たせ続けた。それは明成が点差以上に相手にプレッシャーを与えたから。敗れてもなお、明成が強豪であることを示した一戦だった。 畠山コーチは、第2クォーターの失速を「ひとつは受け身になってしまった部分もあります。そこをもう一皮じゃないですけど、むけさせられなかった、練習で突き詰め切れなかったことは僕自身が反省するところです」と自身に責任があると言い切った。 一方で後半の見事な追い上げについては選手たちの奮闘を称える。「吹っ切れて、第3クォーター、第4クォーターに3年生がやっと一皮むけてくれたかなと思います。明成高校のバスケットボール、高校バスケの素晴らしさというのを見せてもらったかなと思います」