果樹カメムシ大量発生の恐れ 県が注意報(千葉県)
県農林総合研究センターは10日、ビワやナシなどの果実に被害を与える「果樹カメムシ類」が大量発生する恐れがあるとして、「病害虫発生予察注意報」を発表した。果樹カメムシ類の注意報発表は10年ぶりで、生産者らに注意を呼び掛けている。 県内10地点に設置しているフェロモントラップの4月の1日当たりの誘殺数(チャバネアオカメムシ)は4・4匹(平年値0・6匹)で、直近11年間で最多。安房の3地点の平均は9・4匹(同0・3匹)と、平年より30倍以上増加している。
県内で果樹類に被害を発生させるのは、主にチャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシの3種。成虫で越冬して、4月ごろから活動を開始し、5月下旬から6月にかけて収穫期となるビワをはじめ、ナシ、かんきつなどの果実の汁を吸う。果実の表面の一部が硬化して凸凹になったり、果肉がスポンジ状になったりして、品質が著しく低下するという。 今後、特に露地栽培のビワで被害の発生が懸念され、生産者らに▽果樹園内外のこまめな見回り▽薬剤散布▽ナシは防虫ネットで覆う――などの防除対策の徹底を呼び掛けている。