藤井聡太竜王が“早期投了”で2敗目「一方的な内容になってしまった」最高峰タイトル戦で佐々木勇気八段に敗れる シリーズは両者2勝2敗のタイに/将棋・竜王戦第4局
将棋の第37期竜王戦七番勝負第4局が11月15・16の両日、大阪府茨木市の「おにクル」で行われ、藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が挑戦者の佐々木勇気八段(30)に97手で敗れた。この結果、シリーズ成績は両者2勝2敗のタイに。絶対王者の藤井竜王、勢いに乗る挑戦者、タイトルに近づくのはどちらか。注目の第5局は11月27・28日、和歌山市の「和歌山城ホール」で指される。 【中継】藤井竜王VS佐々木八段 終局後の表情(生中継中) 挑戦者・佐々木八段の研究が炸裂した。藤井竜王の2勝1敗で迎えた第4局“茨木対局”。佐々木八段の先手で始まった本局は、角換わり相腰掛け銀の出だしとなった。これまでの3局同様、佐々木八段が温めてきた作戦をここでも披露。藤井竜王は持ち時間をたっぷりと投入して挑戦者の思惑を探ることとなった。 ペース掌握に成功した佐々木八段は、そのまま攻勢に出て絶対王者を翻弄。受けの巧者でもある藤井竜王は堅実な手を重ねて慎重な指し回しを見せたが、じわじわと差が広がっていく。シリーズで初めて封じ手の手番を持った藤井竜王は、攻め合いを決断したが速い展開に苦しい時間が続く。終盤になっても駒がぶつかっている箇所が少ないため攻め合いにならず、優勢の佐々木八段にとっては紛れが発生しにくい状況となった。 最終盤でも佐々木八段の強気の攻めは止まらない。藤井竜王は思うような力を発揮することが出来ず、午後3時45分と早い時間で投了を告げることとなった。 勝利した佐々木八段は、「早繰り銀の形から腰掛け銀の形にする構想をやってみたかったので、積極的な動きをやってみた。内容良く指せたと思う。踏ん張ることができたのかなと思う」と総括。次戦に向けて「自分の実力以上に内容が指せていると思うので、これを継続して少しでも実力を高められるように頑張りたい」と意気込みを語った。 一方、敗れた藤井竜王は、「早い段階から苦しい展開になってしまった。一方的な内容になってしまったと―思うので、5局目以降は熱戦が指せるように精いっぱい一杯準備をしていきたい」とコメントした。 この結果、シリーズは先手番でそれぞれ白星を飾り2勝2敗のタイに。シーソーゲームの激戦は、“三番勝負”として仕切り直されることとなった。研究炸裂で勢いに乗る挑戦者・佐々木八段がタイトル奪取へ近づくか、七番勝負で敗退のない藤井竜王が難敵をねじ伏せるか。さらに盛り上がりを見せるシリーズのゆくえから目が離せない。 注目の第5局は11月27・28日、和歌山市の「和歌山城ホール」を舞台に争われる。 (ABEMA/将棋チャンネルより)