世界税関機構が専門家に認定 長崎税関の東さん 「職員規律分野」で日本初、途上国の支援へ
長崎税関業務部原産地調査官部門に勤務する東城一(ひがしきいち)・上席調査官(48)が、世界税関機構(WCO)から「職員規律分野」の専門家に認定された。日本に44人いる「WCO認定専門家」のうち、同分野での認定は東さんが初めて。主に開発途上国への技術支援などに取り組む。 WCOは1952年設立。税関制度の調和と統一を推進し、国際貿易の発展に貢献することを目的とする。現在、186の国・地域が加盟。途上国税関の改革や近代化に向けた技術支援もしていて、支援を適切に実施するため専門家の認定制度が始まった。 東さんは防衛省で在日米軍に関する職務に従事していた。2019年3月に長崎税関に入り、職員規律などについて勉強を始めた。ラジオ講座やオンライン授業でフランス語を学び、検定で準1級を取得。国内でフランス語に対応できる専門家は初めてという。 認定書授与式は30日、長崎市出島町の同税関であり、正海伸幸税関長が東さんに認定書を手渡した。正海税関長は「日本の税関の代表として途上国税関の改革と近代化に熱意を発揮してほしい」と激励。東さんは「途上国の規律向上に貢献できれば、世界の貿易の円滑化や日本企業の世界進出につながる。日本の代表として活躍したい」と抱負を述べた。