「主人公たちがしゃべってる後ろをシャーっと通る飛脚の役がいい」ユニコーン・川西幸一×直木賞作家・今村翔吾×ミステリー作家・今村昌弘のトークバトル【THE CHANGE特別鼎談】
Q:仕事をするときはどんな音楽を聴いていますか? 昌弘「カフェとか外で仕事をするときはウォークマンを持って行きます。その時々で、ピアノの曲だったり、作業用のアニメのBGMだったり。家にいるときは、焚火が燃えている映像を流してます」 翔吾「なんか大人やな……」 昌弘「好きな曲はあるんですけど、作業をしてると気づいたら次の曲にいってたりするんで、好きな曲ほど仕事のときは聴かないですね」 翔吾「僕はホンマまちまち。阪神ファンだから、阪神の選手の登場曲をかけたりね」 昌弘「川西さんは音楽を聴きながら曲を作ったりはしないですよね」 川西「曲を作るときに煮詰まったりすると、近所のバーに出掛けて、流れてる音楽を漠然と聴いたりはするかな。だいたい、普段は音楽を聴かないですからね。もうね、うるさいのが嫌なの。なるべく静かにしていたい」 昌弘「じゃあ、本を読むときに音楽を聴いたりは……」 川西「無音だね。本の世界に入り込んでるから、時代物の夢を見たりする。自分が江戸時代にいるんだよね。もうちょっとしたら密室の夢を見ると思うよ(笑)」 翔吾「やっぱり、他のジャンルからインスピレーションを受けますよね。人の本を読んだら影響を受けすぎるっていうこともあるし」 昌弘「確かに、純粋に読書を楽しめなくなってるっていうのはありますね」 ■川西幸一(かわにし・こういち) 1959年広島県生まれ、広島県在住。ロックバンド「ユニコーン」のドラマーとして1987年にデビュー。「大迷惑」「働く男」などのヒット曲をリリースする。1993年2月にユニコーンを脱退し、バンドは同年9月に解散。2009年にユニコーンが再始動。最新アルバムは「クロスロード」。時代小説の大ファンとしても知られ、年間百冊近くを読破する。 ■今村翔吾(いまむら・しょうご) 1984年京都府生まれ、滋賀県在住。2017年に発表したデビュー作『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』で第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞を受賞。『童の神』で第160回直木賞候補、第10回山田風太郎賞候補。『八本目の槍』で「週刊朝日」歴史・時代小説ベストテン第1位、第41回吉川英治文学新人賞を受賞。『じんかん』で第163回直木賞候補、第11回山田風太郎賞受賞。2022年『塞王の楯』で第166回直木三十五賞受賞。最新作は『戦国武将伝(東日本編・西日本編)』(PHP研究所)。 ■今村昌弘(いまむら・まさひろ) 1985年長崎県生まれ、兵庫県在住。大学卒業後、放射線技師として働きながら小説を書き、2017年『屍人荘の殺人』で第27回九鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。同作は「このミステリーがすごい」で1位を獲得し、神木隆之介、浜辺美波の主演により映画化された。ほかに『魔眼の匣の殺人』、『兇人邸の殺人』、『ネメシスI』。最新作は『でぃすぺる』(文芸春秋)。 THE CHANGE編集部
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