“マンガ大賞2024”257タイトルの中から選出された10作品が発表。『正反対な君と僕』『平和の国の島崎へ』『天幕のジャードゥーガル』『黄泉のツガイ』などがノミネート。今後、3タイトルに絞られ大賞が選ばれる予定
1月23日、漫画好きや書店員などが集い有志により選考される「マンガ大賞2024」の第二次選考のノミネート作品である10タイトルが発表された。2008年に発足された「マンガ大賞」は、2024年で17回目を迎える。 ここで選ばれる漫画は、2023年の1月1日から12月31日に出版された単行本の内、最大巻数が8巻までの作品から選出される。 選ばれた作品は、『神田ごくら町職人ばなし』、『君と宇宙を歩くために』、『正反対な君と僕』、『環と周』、『ダイヤモンドの功罪』、『天幕のジャードゥーガル』、『ひらやすみ』、『ファミレス行こ。』、『平和の国の島崎へ』、『黄泉のツガイ』の10タイトルとなる。「マンガ大賞」の公式サイトによると、選考員はここで挙げられた作品全てを読み、トップ3を選出し、結果を集計してその年の“マンガ大賞”を決定する。 なお、二次選考の結果は、3月下旬から4月上旬の授賞式をもって発表となる。以下、選出されたタイトル一覧となっている。 <h3 id="title">神田ごくら町職人ばなし</h3>「金なんざどうだっていい。心意気の話さ。わかるだろ?」 神田のとある職人たちの日常が垣間見える『神田ごくら町職人ばなし』は、細かな描写で江戸職人の技と意地を見事に描いた作品だ。登場する人物は桶職人、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官などさまざまで、伝統的な日本の職人技が見られる傑作だ。 ・君と宇宙を歩くために 「いつも続かない 短気なんだ向いてなったって皆笑うけど じゃあ俺は 何に向いているんだ」 勉強もバイトも上手く続けることができずドロップアウト気味の小林のクラスに、声が異常に大きくメモ帳に謎の落書きをする変わりものの転校生”宇野”が訪れる。 その後、バイト先から陰口をたたかれて辞めることを決意した小林のもとに先輩から怪しめなバイトの誘いを受けているところ、宇野が声をかけて助けてくれる。これは、「普通」ができない正反対の2人がそれぞれの壁にぶつかりながらも奮闘する友情物語だ。 ・『正反対な君と僕』 「嗚呼、谷くん 本当にごめんなさい 正直、大好きです。」 一見、活発なギャルに見えるもつい空気を読んで言動を選んでしまいがちな鈴木は、自分の意見をしっかりと言える物静かな男子の谷くんにだる絡みしつつ内心は片思い中。空気を読みすぎてふと疲れてしまった鈴木は、ある日勇気を出して谷くんに一緒に帰ろうと声をかける。学生たちのリアルな心情が、心あたたまるストーリーと共に描かれる等身大のラブコメディとなっている。 <h3 id="title">環と周</h3>「僕はそもそも 自分の気持ちを誰に打ち明けた事もなかったよ だけど君は違うんだな 好きな人と想いが通じ合ったんだな すごいな…」 家族、恋、友情。さまざまな関係性が存在する「好きのかたち」をテーマにした作品だ。中学生の一人娘が同級生の女の子とキスしている現場を目撃し、同様する母親。実はこの娘の父親も、かつて同級生の男子を好きになったことがあった。現代、明治時代、70年代、戦後、江戸時代と、さまざまな時代での恋愛が描かれる。 <h3 id="title">ダイヤモンドの功罪</h3>「野球 選んでよかったなんてこと 一回もねぇよ」 テニス、水泳、体操。運動の才能に恵まれた綾瀬川次郎は、どこにいっても優秀すぎて馴染めず、常に味方を求めていた。孤独に悩む中、「楽しい」がモットーの少年野球チーム「バンビーズ」を見つけ、楽しく練習を続けるも、日本代表の選考会に選出されてしまう。そして、バンビーズにいる限り二度と試合に出ることはできないと宣告される。 <h3 id="title">天幕のジャードゥーガル</h3>「これは 広大な大陸を翻弄した一人の魔女の話」 13世紀、モンゴル帝国の捕虜となり、後宮へと仕えることになった主人公のファーティマは、当時世界最高レベルの医療や科学知識を誇るイラン出身で、教育を受けていた。ファーティマはたいせつな家族を殺された復讐の一念で、モンゴルの後宮で生きていくことを決意し、帝国に複雑な思いを抱くドレゲネと出会う。 作者は「最新世界周航記」など歴史の資料に基づいて描かれた『ダンピアのおいしい冒険』を手がけたトマトスープ氏。こちらの作品は1月18日に完結し単行本も発刊されているので、本作のテイストが気になった方は、ぜひチェックしてみてほしい。 <h3 id="title">ひらやすみ</h3>「生田ヒロト 29歳フリーター。好物たこ焼き。ヒロト君はなぜか、お年寄りによく話しかけられる。」 定職なし、恋人なし、普通ならあるはずの将来の不安も一切ないお気楽な自由人のヒロトは、仲良くなった近所のおばあちゃんであるはなえさんから、無償で一戸建ての平屋を譲り受けることになる。その後、山形から上京してきた18歳の従姉妹であるなつみちゃんと2人暮らしを始める。彼の周りには、生きづらい悩みを抱えた人々が集まってくる。 <h3 id="title">ファミレス行こ。</h3>「新歓疲れた……ノリもよくわからんし ほとんどなんも食べられへんかったし 金だけ飛んだ… ファミレス行こ」 大学1年生の岡聡実は、東京で社会人になるべく学業に勤しんでいた。しかし、ファミレスの深夜アルバイトをきっかけに奇妙な縁が紡がれる。バイト先のファミレスに現れるマンガ家、マンガオタクでバイトの先輩、そして、過去に出会ったことのあるヤクザなど、個性豊かな面子が彼の日常に関わってくる。 <h3 id="title">平和の国の島崎へ</h3>「すごい!島崎さんかっこいい!なんでこんな説得力が!?武器を「道具」として完璧に使いこなしてる…!」 幼少期に国際テロ組織に拉致され、戦闘工作員となった男「島崎真悟」は、30年の時を経て組織からの脱出に成功し、平穏な人生を求めて故郷である日本に帰ってくる。類まれなる戦闘力を身に着けてしまった彼は、平和な暮らしを手に入れることができるのだろうか。名作『寄生獣』の岩明均氏推薦の作品だ。 <h3 id="title">黄泉のツガイ</h3>「幽霊」「妖怪」「化け物」「UMA」「異形」「対なるもの」まぁ見る人によって色々呼ばれてて統一されてないけど ユル こいつらがお前の「ツガイ」だ」 名作『鋼の錬金術師』を手がけた荒川弘氏の最新作。山奥の小さな村で野鳥を狩り、自然の中で平和に暮らしていた少年のユル。彼の住む村に、突如として武装した集団が襲来。住民は次々と惨殺されてしまう。ユルは不思議な能力「ツガイ」を発動させられ、壮絶なバトルに身を投じる。 上記の10タイトルから、トップ3が選出され、結果が集計され次第“マンガ大賞”が決定する。 なお、二次選考の結果は、3月下旬から4月上旬の授賞式をもって発表となる。これらの作品が気になった方は、ぜひ販売サイトをチェックしてみてほしい。
電ファミニコゲーマー:TsushimaHiro
【関連記事】
- 女の子同士の絆が攻略の鍵となるダンジョン探索RPG『Witch and Lilies』が面白そう。女の子たちの関係性を育み、強力なスキルを手に入れよう。Steamにて2024年に発売予定
- 『龍が如く7外伝 名を消した男』PC(Steam)版が25%オフの4455円で購入できるセールを開催。期間は1月5日まで。『龍が如く7 光と闇の行方』の裏側で、伝説の龍こと「桐生一馬」が裏社会で動くエージェント「浄龍」となる
- 最大8人で遊べる洞窟サンドボックスゲーム『Core Keeper』の製品版・家庭用ゲーム機版が2024年夏にいよいよリリース決定。PC版の販売200万本達成も明らかに
- カイロソフト『創造タウンズ島』Steam版が11月13日発売へ。たくさんの住民と過ごす奥深い町づくり。島を開拓して世界中が憧れるマンモスシティを目指そう
- アニメ『怪異と乙女と神隠し』2024年4月に放送決定!堀江由衣、幸村恵理が追加キャラクターで出演。アニメ制作はゼロジー、望月智充が監督