久々に党首討論 「ピザ」「非戦闘地域」で応酬の過去 近年は「カップラーメンより短い」
岡田氏も「まともに議論する気がなくなっていく。この定義は政府が、首相がおつくりになった」とあきれたように語った。
■「約束ですね、よろしいですね」
民主党政権時代の24年11月の党首討論は野田佳彦首相に自民の安倍晋三総裁が挑んだ。焦点となったのは、野田氏が同年8月に自民の谷垣禎一総裁(当時)と公明党の山口那津男代表に「近いうち国民に信を問う」と約束した衆院解散の時期だった。
野田、安倍両氏は衆院の定数是正で激論を交わした後、野田氏は「後ろにもう区切りをつけて結論を出そう。16日に解散をします」と明言した。突然の解散宣言に与野党は色めき立った。安倍氏も一瞬戸惑いながら「16日に選挙をする。約束ですね。よろしいですね」と念を押すほどだった。野田氏は16日に衆院を解散し、翌月の衆院選で民主党は大敗、下野することになる。
■「歴史的使命終わった」で一致
30年5月には安倍首相が立憲民主党の枝野幸男代表らと約1年半ぶりの党首討論に臨んだ。党首討論の開催数は12年に8回だったが、25年以降は1~2回の年が続く。29年はゼロで、30年も2回に過ぎなかった。
枝野氏は森友・加計学園問題について安倍氏をただしたものの、持ち時間は19分しかなく、やり取りは3往復にとどまった。枝野氏は討論終了後、記者団に「安倍首相は意味のないことをダラダラと述べるだけ。党首討論は歴史的な意味を終えた」と批判した。
同年6月にも党首討論が行われたが、枝野氏は「安倍政権の問題点を7つ列挙したい」と再び森友・加計学園問題の論点を並べ、自身の質疑時間の約3分の1を「演説」に費やした。安倍氏は「枝野さんの『演説』で感じた。党首討論の歴史的な使命は終わってしまった」と皮肉を込めた。
今回の党首討論は45分の討論時間を4野党の党首が所属議員数に応じて分け合うこととになる。国民民主党の榛葉賀津也幹事長は今月14日の記者会見で、同党の玉木雄一郎代表の討論時間が3分間となることを挙げて、「答弁も入れてだ。今どきのカップラーメンでも(待ち時間は)4、5分が当たり前だ」と不満を隠さなかった。(奥原慎平)