【高校野球ベストシーン’23・高知編】四国でも波乱起こしたろうか!高知中央が明徳義塾をタイブレークで破った夏準決勝
2023年もあとわずか。ことしも高校球界ではさまざまな印象的な出来事があった。各都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。 高知中央と明徳義塾のスタメン 【選手権高知県大会準決勝・高知中央vs.明徳義塾】 目の前の壁が高ければ高いほど、乗り越えられた時の喜びは増大する。今夏の高知大会準決勝で、「王者」明徳義塾を下した高知中央ナインの喜びは、それを象徴していた。延長11回タイブレークの末に、2対1で勝利。初の決勝進出を手にしたのだった。 9回まで0対0と互角の戦いを演じた。先発の左腕、藤田 一秀投手(3年)がキレのいい直球と変化球を内外角に投げ分け、明徳打線につけいるスキを与えない。特に右打者の内角への直球には伸びが感じられ、打者が詰まる場面も見られた。試合前はコールド負けも覚悟していたというベンチの予想を大きく覆す好投で、ナインの士気も高まった。外野手の好プレーなど、バックも藤田を盛り立てた。 延長10回は互いに無得点。11回表に高知中央が、1死満塁から押し出し四球と、奥田 誠絆内野手(3年)の中前適時打で2点を奪う。8回からリリーフしていた右サイドの高橋 秀斗投手(3年)が、その裏の明徳義塾の攻撃を1点に抑えて逃げ切った。 宿敵の明徳義塾にようやく土をつけた。22年夏準決勝も3対5で敗れた。新チームになった22年秋は準決勝で1対8、23年春も準決勝で3対7で敗れていた。高知中央は明徳義塾にいつも阻まれていたが、今年の夏準決勝で見事にリベンジに成功。逆転勝ちした2019年秋準決勝以来となる明徳義塾からの勝利を手にした。 高知中央は決勝で高知を4対3で破って、春夏通じて初の甲子園出場を果たした。大きな壁を乗り越えた先には、大きなご褒美が待っていた。 23年は、春も夏も明徳義塾が甲子園に出場できなかった。2009年以来、14年ぶりのことだった。