高採算の毛髪切断機器供給、YACの提携に期待できる理由
毛髪精密切断機器「KATANA」。右は実際に切っているところ(写真:ワイエイシイHD)
各種自動化機器の中堅メーカーで、メモリーディスクやパワー半導体、液晶関連装置が主力のワイエイシイホールディングス(6298)。同社はアメリカのLINUS BIOTECHNOLOGY(以下ライナスバイオ社)と『精密エクスポソーム医療企業を対象とした「毛髪エクスポソーム解析およびバイオマーカー開発」』における業務提携に向けた基本合意書を締結したと、2022年12月9日発表した。なにやら聞き慣れない言葉だが、エクスポソームとはたとえば蓄積された化学物質やストレスによる体内変化など、健康に影響を与える外的要因のことを指す。これを毛から読み取っているのがライナスバイオ社だ。11日午後には同社CEOも来日して会見が行われる。会社四季報では、この提携が来期以降業績に貢献すると判断し、来2024年3月期の予想を現在発売中の『会社四季報』2023年1集(新春号)より若干引き上げる。具体的な予想は当記事末尾のグラフなどをご覧いただきたい。百瀬武文社長に、この業務提携が持つ意味を尋ねた。 ――ライナスバイオ社とはどういう企業でしょうか。 2021年3月に設立されたバイオベンチャー企業だ。出資を受けているファンドへの出資者はジョンソン・エンド・ジョンソンをはじめ、ボッシュやファイザーなど錚々たる国際企業が名を連ねている。 また、同社の「自閉症改善プログラム」はFDA(アメリカ食品医薬品局)の(画期的な技術などに対して審査を早める)ブレイクスルーデバイスの指定を受けており、FDAから助成金も交付されている。主要な取引先として、ジョンソン・エンド・ジョンソンやノボザイムズ、エフ・ホフマン・ラ・ロシュなどがある。
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脇坂 司