イスラエル首相に逮捕状発行 国際刑事裁判所、戦争犯罪疑い
(CNN) 国際刑事裁判所(ICC)は21日、戦争犯罪や人道に対する罪を犯した疑いがあるとして、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント前国防相の逮捕状を発行したと発表した。イスラエル首相府は「全面拒否する」と反発した。 【映像】イスラエルがガザで意図的に殺傷や飢餓 国連 ICCは声明で、パレスチナ自治区ガザ地区への攻撃でネタニヤフ氏が戦争手段として飢餓を利用し、殺人や迫害、その他の非人道的な行為を行ったと信じるに足る「合理的な根拠」があるとした。 逮捕状の発行を受けてイスラエル首相府は「不合理」で「差別的」なものだと批判し、「反ユダヤ主義的」で「政治的に偏りがある」とも主張した。 さらに、昨年10月7日以降展開されているガザでの戦争はイスラム組織ハマスによる多くのユダヤ人殺害に端を発したものであり、極めて正当な戦争との考えを示した。 オランダ・ハーグに本拠を置くICCは2002年に「ローマ規定」に基づいて設立され、ジェノサイド(集団殺害)や戦争犯罪、人道に対する罪を犯した個人を訴追する。 現在120カ国あまりが加盟しているが、イスラエルや米国、ロシア、中国、インドなどは加盟していない。ICCは逮捕を強制することはできないが、加盟国は逮捕する義務がある。 そのため、今回の逮捕状発行で加盟国は自国の領地にネタニヤフ氏やガラント氏が足を踏み入れた場合、拘束することが求められる。 ICCはこれまでに、スーダンのバシル元大統領、リビアの故カダフィ大佐の息子のセイフ・カダフィ氏、直近ではロシアのプーチン大統領に逮捕状を発行している。 ガザ保健省によると、昨年10月以降、ガザでは少なくとも4万4056人が死亡、10万人を超える人々が負傷している。