3000キロを走破する世界最大級のソーラーカーレース 設計、運転で好成績に貢献 東海大チーム所属の学生
10月下旬に開かれたオーストラリア大陸を縦断するソーラーカーレースで東海大(神奈川県)チームが5位に入った。大学院工学研究科電気電子工学専攻2年の伊坪岳陽(たけはる)さん(23)=神奈川県奏野市=が設計や運転で貢献。飯田市出身で、地元の飯田OIDE長姫高校原動機部でもエコカーレースで活躍し、大学でも次世代技術を探求した。国内自動車メーカーに就職が内定し「研究開発に携わりたい」と気持ちを新たにしている。
「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ」は5日間で約3千キロを走破する世界最大級の大会。隔年で開き、東海大は新型コロナウイルスの流行もあって2大会ぶりに出場した。チームは卒業生を含む約30人の「プロジェクト」方式で構成。車は伊坪さんら学生20人ほどが半年余りかけて設計し、空気抵抗の小ささや軽さを突き詰めた。
故郷ではものづくりへの関心から飯田OIDE長姫高校に進学した伊坪さん。「工業分野ならではの部活動がしたい」と原動機部に入った。電気自動車(EV)で競うエコカーレースに出場。「部品の重さ一つで勝負が決まることもある。創意工夫する面白さに引かれた」。国内トップレベルのソーラーカーチームがある東海大に進んだ。
前回出場した2019年は準優勝。今回は11年以来となる優勝を目指し、世界中の30チームと争った。初日は電気系のトラブルで出遅れたが、「いかに効率的に安定した走りを持続させるかが勝負」。大会中は経験豊富で機械にも詳しい4人が交代で運転し、伊坪さんもハンドルを握った。
しかし、2日目以降も故障が相次ぎ、5位でゴール。伊坪さんも計約700キロを運転し「結果は悔しいが、みんなでトラブルを乗り越えて健闘した」と振り返った。
来春からはSUBARU(スバル)で働く。「新しいエネルギーを使った車や自動運転技術を研究開発したい」と次の目標を口にした。