韓国検察、文前大統領を収賄容疑で捜査…野党「政治的報復」
イ・ジェミョン民主党代表「政治報復で失政と政治失敗は覆い隠せない」 チョ・グク祖国革新党代表「大統領夫人の髪の毛一本も触れなかったのに」 ホン・ジュンピョ大邱市長 「文前大統領は元・前大統領を2人も拘束捜査した」
韓国検察が文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の娘の配偶者だったS氏の「タイ・イースター航空採用特恵疑惑」と関連し、文前大統領に収賄容疑を適用し捜査していることが、ハンギョレの取材を通じて確認された。野党は「前大統領に対する政治的報復」だとして、強く反発した。 検察は文前大統領に、これまで言われていた「第三者供賄」容疑ではなく一般的な収賄容疑を適用できるとみている。ハンギョレの取材によると、事件を捜査中の全州(チョンジュ)地検刑事3部(ハン・ヨンギュ部長)は、文前大統領に適用した収賄容疑を裏付ける法理と判例を検討しているという。公職者の職務を請託するための金品を公務員ではない第三者に渡して財産上の利益を与えた場合に成立する第三者供賄罪とは違い、収賄罪は提供された金品が公職者に直接的な利益になる時に適用される。 検察のこのような動きに対し、ユン・ゴニョン議員など、文在寅政権当時に内閣と大統領府で働いていた共に民主党の議員たちは激しく反発した。彼らはこの日午前、国会疎通館で記者会見を開き、「検察が文在寅前大統領を被疑者とし、文前大統領に対する政治報復の刀を抜いた」とし、「この報復の結末は現政権と検察の没落になるだろう」と述べた。さらに「この2年間の果てしない剣舞は、結局、文前大統領を侮辱し、苦しめ、捜査線上に乗せるために最初から計画されていた作戦に過ぎない」とし、「文前大統領がフォトライン(記者が取材対象者から一定の距離を置いて取材するよう設定した境界線)に立てば、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権に対する国民の怒りの矛先を変えられると思っているなら、それは大きな間違いだ」と述べた。 民主党のイ・ジェミョン代表もこの日午後、与野党代表会談の冒頭発言で「最近、前政権に対する政治報復とみられる行き過ぎた措置が多くなっている」とし、「このようなことで決して失政や政治の失敗を覆い隠すことはできない」と語った。 前日、全州地検で参考人調査を受けたチョ・グク祖国革新党代表は同日、フェイスブックへの投稿で、「検察はまだ小学生の文在寅大統領の孫のiPadを押収した」「(尹大統領夫人)のキム・ゴンヒ『博士』の場合、手帳一冊でも押収したのか。髪の毛一本でも触れたのか」と述べ、検察捜査の強引さと公平性を問題視した。 与党「国民の力」は同日開かれた与野党代表会談を意識し、文前大統領の捜査に関する党の立場を表明しなかった。同党のハン・ジア首席報道担当は同日、ハンギョレの電話インタビューで、「捜査中の事案についてはまず捜査過程を見守るべきだ」とし、「政界はこれを尊重し、介入を控えなければならない」と述べた ホン・ジュンピョ大邱(テグ)市長は前日、フェイスブックへの投稿で「文大統領本人は大統領在任時代、元・前大統領を2人も政治事件で拘束し、国政壟断というフレームをかぶせて保守右派陣営の数百人を拘束した。なのに、今家族の不正の疑いで本人の家族が取り調べを受けることになったら、側近たちがそれを政治的報復だと抗弁する。実に皮肉なことだ」と書いた。 キ・ミンド、チョン・グァンジュン、ペ・ジヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )