【独自】電動スーツケース全国初の摘発 中国籍の留学生女性を書類送検「乗って移動できる」が公道走行は不可
人が乗ってタイヤで移動することができる「電動スーツケース」を使い、歩道を走行したとして、大阪府警は中国籍の女性を書類送検しました。電動スーツケースをめぐる摘発は全国初です。 【画像を見る】太いタイヤ 中にバッテリー?押収された『電動スーツケース』が公開された 道路交通法違反の疑いで25日書類送検されたのは、大阪市此花区に住む留学生で中国籍の女性(30代)です。 捜査関係者によりますと、女性は今年3月、無免許で電動スーツケースに乗り、大阪市内の歩道を走行した疑いが持たれています。 電動スーツケースの、公道での走行を巡る摘発は全国初だということです。
「電動スーツケース」は、家電量販店などで購入でき、最大時速は10キロほどで、空港内などでスムーズな移動を想定して作られた製品です。 国内でも人気が出始めていますが、保安基準を満たしておらず公道での走行は認められていません。 調べに対し女性は容疑を否認し、「電動スーツケースを乗り物とは思っていなかった」などと話しているということです。
「順調に売れている。日本人も外国人も半々で売れている」
そもそも電動スーツケースとは一体どのような物なのでしょうか。ヨドバシカメラ梅田店で聞きました。 (ヨドバシカメラ梅田店)「2月からの販売。順調に売れている状態です。日本人の方も外国人の方も半々で売れています」 売れ行きは好調だと言います。普通のスーツケースのようにも見えますが、ボタンを押すと、フレームが伸びて乗ることができるようになります。ハンドル部分にはアクセルとブレーキのレバーがあります。気になる収納スペースは普通にモノが入るようになっていました。 店内で記者が試乗しました。「運転操作に慣れてくると少しスピードを出し過ぎてしまうと感じました。一方で移動にはすごく便利だと感じました。(記者リポート)」 最も速い時速12kmで乗ってみると、予想以上に速く感じ、言葉が出ない記者。車輪と車輪の幅が狭いからか、決して安定しているとは言えなさそうです。
外国人に話を聞いてみると…「ルールは知らない」
電動スーツケースは、空港内などでのスムーズな移動を想定して作られた製品ですが、ウインカーがないなど保安基準を満たしておらず、公道での走行は認められていません。 (ヨドバシカメラ梅田店)「現状では公道では走れないのと、日本国内で走るのであれば私有地もしくはその施設の管理者の許可がないと走れません。絶対にお伝えしております」 しかし記者が大阪市内で取材を始めると、電動スーツケースに乗る外国人観光客の姿がありました。話を聞いても「公道を走れないルールは知らない」と答えていました。電動スーツケースをめぐっては、今年に入ってから公道での違法な走行が相次いで目撃されていて、警察がルールを守るよう注意を呼び掛けています。