老後の収入源「厚生年金と国民年金」の平均受給月額はいくら?男女でいくら差があるか
「国民年金(基礎年金)のみ」の平均受給月額はいくらか
先ほどの厚生年金は国民年金を含む平均月額でした。 では、1階部分の「国民年金部分だけ」の平均月額はいくらでしょうか。 ●国民年金(老齢基礎年金)の受給額 〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 ●【国民年金】受給額ごとの人数(1万円刻み) ・1万円未満:6万5660人 ・1万円以上~2万円未満:27万4330人 ・2万円以上~3万円未満:88万1065人 ・3万円以上~4万円未満:266万1520人 ・4万円以上~5万円未満:465万5774人 ・5万円以上~6万円未満:824万6178人 ・6万円以上~7万円未満:1484万7491人 ・7万円以上~:178万3609人 国民年金のみに頼る場合、平均受給額は5万6316円にとどまります。 厚生年金と比較すると、この金額で老後の生活を維持するのは困難であることがわかります。 ●「厚生年金部分だけ」で月いくらか ちなみに厚生年金を月10万円受給する場合、国民年金を除き、「厚生年金だけ」だといくらになるでしょうか。 全体の平均受給額から試算します。 月10万円ー5万6316円(国民年金の平均受給額)=4万3684円 厚生年金だけでは月4万3684円となりました。
年金振込通知書の確認を忘れずに
2024年4月から年金額が増額され、その実際の支給は6月14日(金)から始まります。 年金振込通知書は、各支払期の年金振込額を知らせる重要な書類です。この通知書は原則として年1回(6月)に送付され、振込額や振込口座に変更がなければ、その後の支払月には再送付されません。手元に届いたときは必ず確認しましょう。
老後に備えるためのステップ
今回の調査では、年金受給額の平均に注目しましたが、1万円単位での受給者数を見ても、支給額には大きな個人差があることがわかりました。 老後の資金計画を始める第一歩は、自分の年金受給額を正確に把握することです。「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を利用して、受給予定額を確認しましょう。 ●老後資金の準備方法 年金の予定額を確認した後は、老後に向けた以下の対策を検討することが重要です。 ・公的年金の増額策を模索する:加入期間を延ばすなどして、受給額を増やす方法を探りましょう。 ・私的年金を用意する:企業年金など、自分で準備する年金を活用します。 ・貯蓄を積み立てる:定期預金など、計画的に貯蓄を進めることが大切です。 ・資産運用を開始する:2024年に導入された新しいNISAを活用し、資産運用に取り組むことも選択肢です。 これらの手段を組み合わせることで、経済的に安定した老後を迎えるための準備が整います。 自分に合った老後の計画を立て、将来に備えましょう。
参考資料
・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」 ・日本年金機構「ねんきんネット」 ・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」 ・日本年金機構「年金振込通知書」
齊藤 慧