13年落ち&5万km走行の中古フェラーリ、いざ車検へ!!! スーパーカーの整備事情はいかに(連載:33歳、フェラーリを買う)
29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからまたフェラーリを購入した! はたして、2回目の“跳ね馬ライフ”はいかに? 【写真】一筋縄ではいかない!? 車検整備などの詳細を読む(22枚)
整備入庫先で悩む
わがカリフォルニアは車検の残り期間がほとんどない状態(約2カ月)で購入した。というわけで、購入から10回ほどしか乗っていないものの、車検整備を迎えた。 当初、入庫先は“一番安いショップ”を考えていた。「360モデナ」所有時はフェラーリビギナーだったこともあり、安心の正規ディーラーに任せていたが、今回は、維持費を抑えたく専門店を含め、“最良”を見つけるべく探していた。 しかし価格だけで決めるのも、悩ましい。それはハードトップの開閉トラブルがあったからだ。この故障は、正規ディーラーで整備を受けていれば発生しない可能性が高かった。整備内容が確立された正規ディーラーに預ければ、価格はともかく間違いはないのだろう。 訊くと、正規ディーラーでは常に、細かく整備内容がアップデートされているそうで、1994年登場の「F355」でも未だに更新されるそうだから驚いた。それらの情報はあくまで正規ディーラー間のみで共有されるというから、なるほど、断然正規ディーラーに依頼するメリットは大きい。 「購入した店舗でもないのに整備を依頼するのはいかがなものか?」という指摘もある。結論から言うと問題はない、と自分は思う。そもそも、カーディーラーは新車や中古車販売にくわえ、整備も収益源だからだ。 もっとも、360モデナ購入直後に参加したフェラーリ・オーナーズ・クラブ(FOCJ)のイベントで、某ディーラーの人に整備を相談したところ、「代表に電話してください」と、名刺もいただけなかったから、誰もが大歓迎! ということもなさそうだ……。「フェラーリはやっぱり新車のン千万円のモデルを何台も買わないと顧客として認識されないんだろうなぁ」と、思い知ったのは言うまでもない。 結果として、フェラーリ横浜サービスセンターが快く対応くださったのでホッとひと安心。そこで今回も同センターに依頼することとした。 久しぶりに訪れると、年末ということだけあって工場内には最新のフェラーリがあふれかえっていた。 「まずはアンダーカバーを脱着してオイル漏れなどがないか確認します。カリフォルニアの場合、DCTのトラブルが生じている可能性もありますので、すべてをチェックした上で御見積もりを送付いたします」 長年、お世話になっている高橋忠久工場長からドキッとする言葉が。訊くと、2010年式にもなるとオイル漏れのリスクも高まっているそうだ。DCTでは変速不良などがあった場合、ユニットをマルっと交換する可能性が高く、高額になるという。 ただし、トラブルがなにもなければ車検整備は20万円台で収まる可能性が高いとのこと。360モデナでは見積もり時に約220万円(!)で、最終的に98万円だったのを思えばびっくりするほどリーズナブル。このときはタイミングベルト交換で費用は嵩んだが、カリフォルニアはチェーン駆動なので交換する必要はナシ。フェラーリの進化に感謝である。 しかもトラブルがなければ数日で仕上がるというから助かる。というのも週末、俳優の夏樹陽子さんに頼まれ、わがカリフォルニアに乗って横浜に行かなければならない約束をしていたからだ。 が、13年落ち&走行距離5万kmのフェラーリの車検整備が、一筋縄でいくはずがない。 預けた翌日、高橋工場長から“トラブル発見”の連絡が……。 はたして、わがカリフォルニアは無事、手元に戻るのか!? それとも長期入院となってしまったのか……次回、報告する!
文と編集・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)