国慶節で不動産取引が増加、値上げや割引撤廃の動きも
【東方新報】国慶節の連休中、多くの主要都市でマンションの見学者数や成約数が大きく増加している。市場が回復に向かう中で、不動産会社の多くが価格戦略を見直し、価格を引き上げたり、割引を完全に取りやめる動きが出ている。 ■10月初旬、成約件数が9月を上回る 地方政府が「成績発表」 今年の国慶節前には、不動産市場についての政策が多く発表された。政府は金利の引き下げや頭金比率の引き下げを実施し、北京市、上海市、広州市(Guangzhou)、深セン市(Shenzhen)などの都市では新しい政策が導入され、不動産市場への信頼が高まっている。 不動産市場を調査する中指研究院によると、国慶節の連休中には多くの都市でマンションの見学者数や成約数が節前より大きく増加し、「銀十(10月)」のスタートとして予想を上回る好調な成果を上げている。 新築マンションの見学や成約の状況を見ると、ほとんどの都市で市場の熱気が明らかに増している。広州と深センでは、連休中の成約件数が9月の2倍に達し、北京と上海でも9月の成約件数を上回っている。これらの都市では、政策の効果が現れ、マンションの見学者数と成約数が大幅に増加している。 また、不動産業界の総合情報サイト「58安居客房産研究院(58 Anjuke Institute)」のデータによると、政策の影響で住宅検索の熱が大幅に高まり、深センと北京では住宅検索数が9月比で日平均25パーセント増加し、広州と上海でも10パーセント以上の増加を記録している。全国の100都市のうち、83都市で住宅検索の熱が高まり、そのうち38都市では10パーセント以上の増加が見られた。 ■地方政府の成績発表 深セン住宅・建設局のデータによると、新政策の実施から1週間で市場の反応は良好で、新築マンションの成約数は前年同期比で664.14パーセント増加した。また、中古物件の成約数も過去数年の最高記録を更新しており、市場は安定回復している。10月1日から7日までに、新築住宅成約数は1841件、前年同期比で大幅に増加している。 また、武漢市(Wuhan)の発表によると、市内で販売中の不動産プロジェクトは242件あり、国慶節の連休中の来場者数は前年同期比で47パーセント増加した。成約件数は2765件で、前年比113パーセント増、販売面積は31万平方メートルで前年比98.6パーセント増、売上は54.9億元(約1154億1078万円)に達し、前年同期比で93パーセントの増加が報告された。 成都市(Chengdu)のデータでは、10月1日から7日までに代理店経由で新築住宅1561件が成約され、前年同期比81パーセント増加している。中古物件の成約件数も前年同期比で59パーセント増加した。 ■不動産会社の値上げや割引撤廃の動き 「銀十」の始まりとともに、多くの不動産会社が価格戦略を見直している。中国不動産企業の美的置業集団(Midea Real Estate)は10月8日から全国で販売されている物件に対し、2パーセントの割引を撤廃すると発表した。華潤置地(CR Land)北京や中建壹品(CSCEC YIPIN)も同様の発表を行い、価格の引き上げや割引の撤廃によって、販売戦略を変更している。 こうした動きは今年の8月にはすでに始まっており、四川中茅不動産は8月5日から、ある不動産プロジェクトの販売価格を2パーセント引き上げると発表している。また、9月20日には成都での土地取引が過去最高価格を記録するなど、広範囲で値上げの動きが見られる。 易居研究院(E-House China R&D Institute)の厳躍進(Yan Yuejin)副院長は、不動産会社が割引を撤廃するのは市場の回復に向けた戦略であり、今後も値上げの動きが続くと見ている。地域やプロジェクトによって異なるが、今後も一部の会社は値引きを続ける一方で、値上げする企業も増えると予想されている。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。