ダルビッシュが母の日に200勝王手 夫になり、親になり実感した妻や母のありがたさ語る
◆米大リーグ パドレス4―0ドジャース(12日・米カリフォルニア州サンディエゴ=ペトコパーク) 【写真】ダルビッシュ有 くじらデザインの母の日グラブ パドレスのエース・ダルビッシュ有投手(37)が12日(日本時間13日)、日米通算200勝に王手をかけた。本拠地・ドジャース戦に先発し、5回2死まで完全投球。7回2安打無失点の快投で今季3勝目を挙げた。ド軍の大谷翔平投手(29)は腰の張りで今季2度目の欠場。2人の3度目の直接対決は次回以降にお預けとなった。 球場の真ん中で咆吼(ほうこう)を上げた。4点リードの7回。ダルビッシュが1死から連続三振を奪うと本拠地に「YUコール」が鳴り響いた。今季最長タイの7回2安打無失点。同最多101球の熱投で三塁すら踏ませず、メジャー自己最長に並ぶ18イニング連続無失点で3連勝だ。今季3勝目は日米通算199勝目。節目の「200」にとうとう王手をかけた。 「前回からフォームをガラッと(好調だった22年前半に近く)変えて、全体的に良かったですね」 序盤から完璧に近い内容だった。5回2死まで完全投球。今季最速の96・4マイル(約155キロ)を計測したツーシーム、スイーパーなど直球を含めると8球種を駆使し、古巣ドジャース打線を寄せ付けなかった。 この日は「母の日」。ピンクのグラブで力投した右腕も特別な思いで登板していた。「自分も夫になって妻を近くで見てるので、どれだけ(自分を)犠牲にして子どもたちを育てているのかを目の当たりにしてますし、この年になって母親が自分にしてきてくれたことを実感できる。変な投球はできないなと思ってました」。母・郁代さん(65)には花とメッセージを贈り、現地観戦した妻・聖子さん(43)にはこの日朝にギフト、試合で白星、試合後に花束をプレゼント。日頃の感謝を心技体で表現した。 今季3度目の“両雄激突”とはならなかった。大谷が腰の張りで欠場。前日11日(同12日)の試合前には2人で5分以上も談笑していたが「昨日から腰があまり(良くない)みたいなことを言ってましたけど、まさか出ないとは。何週間も前からドジャース戦で投げるだろうなと思ってすごく楽しみにしてたので。残念ですけど、早く良くなってほしい」。大谷も対戦できず落胆していたと伝え聞くと「リップサービスだと思います」とニヤリ。「どちらかというと自分がいつも大谷くんの動作とか、走り方を見ながら勉強しているので」と後輩にリスペクトを示した。 ローテ通りにいけば、次回は18日(同19日)の敵地・ブレーブス戦での登板が有力。偉業をかけたマウンドになる。「考え過ぎると勝てなかったり苦しくなると思うので、それはなるべく忘れて。今日のことを反省して、もっと良くなれるように頑張ります」。今なお進化する37歳。一気に決める。(中村 晃大) ◆球団初の快挙 ダルビッシュの快投でパドレスが歴史的な快挙を達成した。米データ会社エライアスによると、7回2安打無失点を記録したことで、シース、キング、ウォルドロン、ダルビッシュと、直近4試合で先発した投手が、いずれも5回以上投げて被安打2以下。これが1893年以降球団初となった。
報知新聞社