ハズレが「当たり」の仕事 データ駆使し交通量を分散 高速道路の渋滞予測士
年末年始やお盆、ゴールデンウイークなどに合わせて発表される高速道路の渋滞予測。業務を担う西日本高速道路(大阪市)の「渋滞予測士」は本社と4支社に1人ずつしかいない専門家だ。 【画像】笑顔で取材に応じる渋滞予測士 2017年に制度化された。中国支社で4代目の樋口尚吾さん(33)は昨夏に異動してきた。通信設備関係の技術職だったが「データ解析で利用者の役に立てる仕事に興味があった」と語る。 渋滞した場所や時間について過去数年分のデータを解析し、曜日の並びなども考えて5キロ以上渋滞する区間や時間帯を予想する。日々のニュースやイベント情報にもアンテナを張る。特別な計算式はない。予測士の解析力と経験が頼りだ。 今冬の年末年始(12月28日~1月4日)は、上りと下りで計19回の渋滞を予測した。結果は計13回だった。下りは6回で的中した。「上りは分散したので渋滞が少なかった。ただ区間と時間帯は当たった」と笑う。 気象予報士などと違い、実は予測が的中しても満足感はない。「渋滞が少ないと、予測を見て対応してもらえたのかなと思いうれしくなる」。外れることが「当たり」の予測士が、ドライバーの快適な運転を支えている。
中国新聞社