大阪で万博期間中の「ライドシェア」規制緩和 府市と国交省が24時間運行可能で合意 ”採算性”や”人材確保の難しさ”を理由に参入しないタクシー事業者も
一般ドライバーが自家用車を使い乗客を運ぶ「ライドシェア」の規制緩和が、大阪で期間を限定して行われることが決まりました。現在は運行できる地域や時間帯が限られています。背景にあるのは、来年開幕する大阪・関西万博です。
大阪・関西万博の期間中、不足するとされるタクシーの台数は1日あたり最大1880台と試算されています。 「ライドシェア」はタクシー不足を解消すると期待されています。専用アプリで車を呼び、メーター制ではなく距離に応じて、あらかじめ料金が決まるのが特徴です。日本型「ライドシェア」では、タクシー会社の管理のもと、一般ドライバーが自家用車を利用して有料で乗客を送迎することができます。
大阪府も今年5月から運用を開始しましたが、地域や曜日、時間帯が限定されています。吉村知事は「万博のときに満足していただける輸送は今のままじゃ難しいのではないか」と規制緩和を求めていました。 19日に開かれた万博期間中のライドシェアについての会議で、国交省や大阪府・市は、万博期間中の2025年4月から10月について、府内全域で24時間「ライドシェア」を運行する案に合意しました。タクシー事業者以外が参入するための法整備など仕組みづくりについては、今後の検討課題としました。
府は万博期間中に約3250人のドライバー確保が必要という試算も出しています。万博終了後はインバウンド客の増加などが見込まれるため、2030年には1日あたり最大約1700台、2930人のドライバー不足を見込んでいます。
一方、「ライドシェア」には参入しなかったタクシー事業者もあります。主な理由は採算性や人材確保の難しさでした。 理由①採算の確保が困難 ⇒コストに見合うだけの収入を得られず採算が合わない ⇒保険や修理など全て会社持ちのため利益を見込めない 理由②ドライバーの確保や教育が困難 ⇒まずはタクシードライバーの採用を優先したい ⇒安全運行を100%担保できない 理由③運行管理や車両整備の体制の構築が困難 ⇒遠隔点呼・車の整備・ドライバーの採用・勤怠&給与管理などの準備が追いついていない より広い事業者の参入に向けて、今後「ライドシェア」が広がっていくのかどうか、万博期間はその試験期間になりそうです。