大谷翔平の3か月ぶり復帰登板内容に米メディアの評価は賛否真っ二つ
一方、復帰登板に合格点を出したメディアも。エンゼルスの地元、オレンジカウンティー・レジスター紙は、「エンゼルス大谷の肘は、約3カ月ぶりの登板で試験をクリア」との見出しの記事を掲載。 「2回に大谷は(先頭のゴンザレスに)打ち返された打球を素手で取ろうとし『3回に彼の薬指が痛み出した』と試合後にソーシア監督は明かした。また2回と3回の間には、大谷は背中に張りを感じた」と伝えた。 ソーシア監督は、試合前に「大谷には、最後の投球練習よりも10球多い約60球を投じさせるかもしれない」と話していたそうだが、「彼が背中に張りを感じたとき、チームは彼が十分に投げたと決断した」と、わずか49球で降板に至った経緯説明した。 「3回に球速が大きく落ちたことは疑問を呼んだが、大谷は最初の2回は問題なく投じていた」「大谷は最速で99マイル(約159キロ)を投じ、1、2回は、ほとんどが95マイル(約153キロ)から97マイル(約156キロ)だった。スプリッターも、ユーリ・グリエルの三振を含む、数球を投じていた」と、2回までの33球に問題がなかったことを伝え、大谷の「メジャーリーグのマウンドに戻ったことによるアドレナリンで、当初よりも投球に力が入った」というコメントを紹介した。 アストロズの地元、ヒューストン・クロニクル紙は、試合を伝える記事の中で、大谷の投球について「試合の入りは、とても素晴らしかった。最初は衝撃的な投球で、97、98、99マイル(156から159キロ)に近づいていった」というヒンチ監督の声を伝えた。 その一方で、3回に球速が急激に落ちたことと、先頭のトニー・ケンプに与えた四球の投球内容を紹介。 「投球のうち、カーブは68.4マイル(約110キロ)で、3球投じた速球は、92マイル(約148キロ)に達しなかった。ソーシア監督と大谷は、球速が落ちたのは、背中の張りに原因があると見ている。大谷は、マーウィン・ゴンザレスの打球を利き腕の右手で取りにいき、指を痛めたことも、球速低下の原因だったかもしれない」と分析した。 3回に20号2ランを放ったスプリンガーは、同紙の取材に「大谷に何の異常もなければいいのだが……(3回に球速が落ちたのは)明らかだった」と、3回に大谷の投球に異変を感じたことを証言している。 また同紙は、1回に2死を取った段階で大谷がデビューから50投球回に達したことをピックアップ。「1シーズンで50回を投げて15本塁打を放ったのは、彼とベーブルースのみだ。6月に内側側副靱帯を損傷するまで、24歳の二刀流選手は、このスポーツ界において最も畏敬の念を起こさせる選手だった」と称えることを忘れていなかった。 その復帰登板内容への評価は、真っ二つに分かれたが、右肘にメスを入れる選択をせずに復帰した大谷の“二刀流”の行方に全米が注目していることだけは確かだ。