「自分が手がける最後のロッドシリーズかもしれない」菊元俊文の史上最高傑作【エバーグリーン新作ロッド】
バスフィッシング界における西の重鎮、菊元俊文さんが監修するハイエンドロッドシリーズ・オライオンに新作が登場!菊元さん直々に解説をお願いした。 【写真】美しい半円を描くオライオンテーパー
オライオンシリーズの最新作を菊元さんが解説
「自分が手がける最後のロッドシリーズかもしれない」という覚悟のもと、これまでの経験や知識の集大成として完成させた、オライオン。先日のフィッシングショー大阪にてその新作3本が発表された。菊元さんにそれぞれの特徴などを詳しく聞いてみた。 【OCSC-68MLファイアソード】 菊元「オライオンシリーズは打撃系というか、ワームやジグとかの撃ちモノの竿としてスタートし、今はひと通りの釣りができるラインナップが揃いつつある。そこで、今回はベイトの巻きモノ竿を作りました」 ファイアソードはクランクベイトを強く意識したロッドだという。クランク専用ロッドというと、ショートバイトへの追従性の高いグラスロッドに今もアドバンテージがあるとされている。しかし、オライオンは開発当初から「できるだけ軽いロッドを作りたい」というテーマもあり、グラスではなく低弾性の10トンカーボンを採用。元ガイドから手元までは4軸補強しているそうだ。 菊元「10トンカーボンの周りにグラスクリームを薄く巻いて、グラスのフィーリングを残しつつ、フレックスな曲りと吸い込みのよさを実現しています。なおかつ軽く、グラスよりも感度がいいです。適応ルアーは10gくらいのシャローからミッドクランク。具体的にいうとワイルドハンチがど真ん中。自分の場合はカバークランクで使うことが多くて、バックハンドでオーバーハングの奥に入れたり、ソフトに着水もさせやすいかな」 [画像]オライオンOCSC-68MLファイアソード(エバーグリーン)。SPEC:全長=2.03m。自重=117g。適合ルアーウェイト=1/8~3/4オンス。適合ライン=6~16ポンド。継数=1。税込価格=79200円。(2024年2月発売予定) [画像]右がファイアソード。左の撃ちモノロッドよりも大きいガイドがセットされている。クランクベイトを巻く際にガイド間でラインが踊ってほしい、という意図があるとのこと。 【OCSS-65Lウィロー】 菊元「オライオンのスピニングはこれまで3機種出しています。UL、ML、Hがそれぞれ1本ずつ。何でLがないの?といわれていましたけど、実はLもやっていました。それがウィロー。ウィローというのは柳のことなんやけど、しなやかだけど粘り強い、柳の木をイメージして名付けました」 オールチューブラーの6フィート5インチ。極端なファストテーパーではなく、菊元さんがオライオンテーパーと呼ぶ、ミディアムファストテーパー。投げやすく、根がかりも少ないという。 菊元「ライトリグやるならど真ん中の竿。オカッパリでスピニング1本持っていくならこれかな。スモラバ、ドロップショット、ミドスト、ホバスト…小さいシャッドのトゥイッチとかもできますね」 【OCSS-60UL-STガルサ】 菊元「ガルサは6フィートのウルトラライトのソリッドティップモデル。ここからがソリッドですよ…という極端な曲がり方をしないのがオラインオンのソリッドの特徴でもある」 ガルサは鳥のサギのことで、その名の通りベイトフィッシュがいるところに待ち伏せして近寄ってきたら一撃で食べてしまう…そんなイメージで作ったそうだ。 菊元「例えばサイトフィッシングで、その先の岩陰にルアーを隠して…バスが泳いできたら、ピッとショートジャークで岩から出して『あ、見つけた!』と思わせて食わせてしまうような。小さいモーションのキャストやロッド操作がとてもやりやすいです。シンカーだけをボトムに着けたドロップショットでも、ボトムのツブツブ感がよくわかるよ」 [画像]スピニングロッドの曲り。これがオライオンテーパーだ。 [画像]軽さを求めた結果、スピニング2機種はいずれもトップガイドがスレッドレスになっている。
望月 俊典:Rod and Reel副編集長を経て、現在フリーランスの編集/ライター。『世界の怪魚釣りマガジン』を手掛けた。