おじさんライダーはなぜBMWに惹かれるのか!? が実感できた新型「R 12 nineT」試乗
レーサーレプリカ全盛の頃に免許を取得した筆者。その頃は、バイクといえば“速いこと”が正義で、最高出力や足回りなどのスペックに一喜一憂していたので、たまに見かける重そうな水平対向2気筒エンジンを搭載したBMWに乗るライダーの気持ちがわかりませんでした。何なら「おじさんになると、何でみんなBMWに乗りたがるんだろう?」と疑問に思っていたくらい。ただ、自分がそのおじさん世代になると、だんだん魅力的に見えてきました。 【細部のデザインを見る】 ロングツーリングを趣味とする人なら、GSシリーズなどアドベンチャー系のマシンに惹かれるのでしょうが、個人的に魅力を感じるのは“ロードスター”に位置付けられる「R nineT」シリーズです。空冷の水平対向エンジンを搭載した、ちょっとレトロな雰囲気のネイキッドマシン。そのマシンが10年ぶりにフルモデルチェンジ。「R 12 nineT」に生まれ変わりました。
■新設計のフレームで生まれ変わったマシン
ぱっと見ると、外観は従来の「R nineT」と大きな違いは感じられません。左右に大きく張り出したシリンダーヘッドが目立つ水平対向の2気筒エンジンもそのまま。排気量は1169ccで、109PSという最高出力も変わりません。重量は222kgで、排気量があるとはいえ重量級のボディです。 新型になって大きく変わったのはフレームです。スチールパイプを組み合わせたフレームであることは同じですが、「チューブラーブリッジスチールスペースフレーム」という長い名前の新開発のものに。従来は前後分割式だったものを一体設計とすることで重量を軽減。よりレトロな雰囲気の外観にも貢献しています。 存在感のあるガソリンタンクは前後長が30mm短くなり、後ろ側が絞り込まれてニーグリップがしやすくなっているとのこと。またがってみても、車体がコンパクトになっているように感じられ、足付き性も向上しています。 足回りは径45mmの倒立フロントフォークに、リアはプロアームのモノショック。ホイールは前後とも17インチで、試乗車にはスポークホイールが装備されていました。BMWのバイクには、独自のサスペンションシステムが採用されているモデルもありましたが、このマシンは一般的なテレスコピックタイプのフロントフォークで、違和感なく乗れそうです。