永瀬九段 25年初勝利で王将戦に勢い 第10期叡王戦本戦で黒沢六段を下す
12日に開幕する将棋のALSOK杯第74期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)で藤井聡太王将(22)=7冠=に挑戦する永瀬拓矢九段(32)が9日、東京都渋谷区の新将棋会館で行われた第10期叡王戦本戦で黒沢怜生六段(32)を下し、自身の新年初対局を白星で飾った。 先手・黒沢のゴキゲン中飛車を受けた永瀬は角と飛車の大駒を巧みに絡ませて丁寧に対応。最後は成り駒を一枚もつくらないまま先手王を寄せ切る横綱将棋を見せた。 前日8日は藤井の新年初対局をネット中継でじっくり観戦したという。増田康宏八段(27)に完勝した将棋を見て「藤井さん、仕上がってますね。年末年始をしっかりと過ごしてきたと感じました」と警戒モードを引き上げた。「私の方は普段通りですけど」と続けたが、その表情には準備万全の気配が存分に漂っている。 11日は注目の開幕局が行われる静岡県掛川市入り。決戦の機運が徐々に高まってきた。(我満 晴朗)