北海道旭川市で、女子高校生が恐喝や監禁されたのちに殺害された事件は、発覚から１９日で１週間です。旭川の繁華街を取材すると、殺人の疑いなどで逮捕された２１歳の女の人物像が少しずつ浮かび上がってきました。 　事件が発覚してから１８日で６日。現場には絶えず、花が手向けられています。 　神居大橋を訪れた人：「僕にも年頃の娘がいるので、あまりにも他人事ではないなと思ってちょっと手だけ合わせたいと思った」「将来もあったでしょうけれど、それも奪われて残念でならない」 　旭川市郊外の神居大橋。ことし４月、ここから転落させられ殺害された留萌市の村山月さん。まだ、１７歳でした。 　村山さんの幼馴染：「幼稚園のころは静かで。それこそ、泣き虫で。小学中学になってからどんどん元気になって。クラスのムードメーカー的な存在でもあった」 　インスタグラムのアカウントはここ最近、非公開になっていたといいます。 　村山さんの幼馴染：「何も見えない状態、全部消えていて。悲しいですし、内田容疑者には怒りがやっぱりある」 　殺人の疑いなどで逮捕された旭川市の無職・内田梨瑚容疑者２１歳。村山さんとは犯行当日に初めて会ったといいます。発端となったのはＳＮＳ上での出来事でした。 　村山さんが自身のアカウントで内田容疑者の画像を無断で使用。それに腹を立てた内田容疑者が、ＳＮＳの通話機能などを使って村山さんを恐喝したとみられています。 　（内田容疑者の供述）「言葉遣いが気に入らなかった。謝罪を求めたが、失礼な態度を取られた」 　このやりとりの際、村山さんはトラブルを解決するため電子マネーを１０万円分送金することを提案。しかし、内田容疑者はこれを何らかの原因でうまく受け取ることができませんでした。 　大原麻潤記者：「村山さんは内田容疑者らにこの道の駅に呼び出され、その後、監禁されたということです」 　村山さんは留萌市内の道の駅で、内田容疑者と初めて対面することになりました。その後、内田容疑者の車に監禁され、殺害の現場となった神居大橋まで連れていかれたとみられています。 　一連の犯行では、内田容疑者と知人関係の１０代の男女３人も、恐喝や監禁などの疑いで逮捕されました。 　取材を進めると内田容疑者を中心とした４人の関係性が浮かび上がってきました。監禁の疑いで逮捕された１６歳の少女は、村山さんによる内田容疑者の画像の無断使用を発見し報告したとされています。 　そして、内田容疑者から「手伝ってほしい」などと言われ、犯行グループに加わったのが１６歳の少年と１９歳の女でした。 　１９歳の女との関係について内田容疑者は－ 　（内田容疑者の供述）「自分の舎弟だった」 　１９歳の女と、小中学校時代に同級生だったという女性：「友達関係もあんまりよくなくて、１回聞いたことがあるのは小学校の高学年の時に、友達と遊んでいて喧嘩し、包丁を向けたという話。それ以外にもけっこう問題児という感じでした」 　内田容疑者が事件前、よく出入りしていたのが旭川の繁華街、通称「サンロク」です。 　鈴木麻友記者：「この辺りはバーやクラブなど若い人が集まる店も多くあります。内田容疑者は顔が広かったようでこの辺りではちょっとした有名人だという人もいました」 　内田容疑者はサンロクで出会った友人らと飲みに出たり、夜にドライブに行ったりすることが多かったといいます。 　内田容疑者を知る人：「なまらビビりましたよ。ドライブしていて音楽をかけたら知ってる曲だったら一緒に歌う普通のノリがい感じの子」 　一方で、同級生からはこんな話も。 　内田容疑者の同級生：「小学校と中学校の時にはちょっといじめをしてて、あまりよくない印象でした。いじめられていた子が不登校になったりとか、転校しちゃったりとかありました」 　内田容疑者を知る人：「昔から年上や年下にケンカをうっていたり、自分からガツガツ行くような感じ。気に食わないことがあるといくみたいな印象」 　ＳＮＳがきっかけとなった今回の事件ですが、情報化社会について研究している専門家は「あくまで特殊な事例だ」と指摘します。 　国際大学ＧＬＯＣＯＭ客員研究員・小木曽健さん：「無断使用されたということは、誰でも使用できるような場所に置いてあったということだと思う。それに対して腹を立ててお金を要求して、かつ、うまく受け取れなくて、相手を殺すってのは、一般化して考えてはいけないような特殊な事例だと思います」 　ただ、子どもはＳＮＳでトラブルに巻き込まれても相談しにくいとして保護者に対し、こう呼びかけます。 　国際大学ＧＬＯＣＯＭ客員研究員・小木曽健さん：「親に相談できない・相談したくない思う理由の一つが「怒られるから」。「こういうことがあったら親に言っていいんだよ、絶対怒らないからね、ということを『しつこいな』と言われるぐらい、何度も何度も言ってあげるというのがすごく重要だと思う」