原油先物、堅調地合い維持しながら4月入り-中国の需要動向が焦点
(ブルームバーグ): 原油先物相場は1ー3月(第1四半期)の堅調地合いを引き継ぎ、1日のアジア時間の取引で水準を切り上げる展開となっている。中国経済回復の兆しが確認されたことから、今後の需要に対する期待感が強まった。
北海ブレント6月限は1バレル=87ドルを上回って推移。1-3月は14%近い上昇率となった。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は同83ドル台で取引されている。
中国国家統計局が3月31日に発表した3月の製造業購買担当者指数(PMI)では、昨年9月以来の活動拡大が示された。これを受けて、世界最大の原油輸入国である同国で消費が回復するとの期待につながっている。
原油相場は年初から上昇基調を維持。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスが参加国以外からの供給増の相殺と価格押し上げに向けて協調減産していることが背景にある。OPECプラスは3日に予定しているオンライン開催の合同閣僚監視委員会(JMMC)会合で、現在の生産方針を確認する見込み。
ウクライナによるロシアのエネルギー施設攻撃や中東情勢の緊迫化も原油相場を支える要因になっている。
ゴールドマン・サックス・グループはリポートで、予想外に堅調な欧州の石油需要も相場の支援材料になっていると指摘。また、米国からの供給の伸びが弱いことや、OPECプラスの協調減産が2024年を通じて延長される可能性があることも強気材料だと付け加えた。同行は先月のリポートで、欧米の中央銀行が利下げに向かう中、工業部門と消費者の需要が支えられることで今年は商品相場が上昇する見通しだと指摘していた。
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原題:Oil Builds On Solid Quarterly Surge With Chinese Demand in Focus(抜粋)
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Yongchang Chin