クマ情報メールで逐一 砺波市、平野部出没で緊急会議 AIカメラで監視強化
砺波市は平野部の狐島でクマが出没したことを受け、31日、緊急対策会議を開いた。今後、出没事案があった場合、地区自治振興会長にメールで状況を逐次伝えるなど連絡体制を改善すると説明した。AIカメラを初めて導入して監視体制を強化するなど、危機感を持って被害防止に努める姿勢を強調した。 ●連絡遅いと指摘 狐島のクマ出没は5月27日で、民家敷地の屋敷林に侵入し、約7時間後に駆除された。けが人は出なかったが、駆除されるまで警察や消防、市駆除隊など関係機関が警戒した。 市役所で開かれた会議では、現場を抱える若林地区の自治振興会長が、こう着状態が続く間は情報が入らず、住民がいらだちや不安な思いをしたと振り返った。第一報では複数頭いる可能性があったが、1頭と確認された連絡が遅かったと指摘した。 これに対し、市農林振興課の担当者は、出没地区と近隣の自治振興会長に対し、状況に変化がない場合でも1~2時間ごとにメール連絡すると説明した。砺波消防署に対しては目撃情報の段階で電話連絡するように改めるとした。 AIカメラは2台を来月にも中山間地域に設置する。県の補助事業を活用してできるだけ多くの導入を目指す。 春と秋に開くクマ対策会議は中山間地域6地区の自治振興会長が参加していたが、全21地区参加に拡大。市は放任果樹の伐採補助の対象を拡大したと説明し、活用を呼び掛けた。 県自然博物園ねいの里の担当者はクマが繁殖期に入るため、行動範囲が広がるとして警戒を呼び掛けた。会議には21地区の自治振興会長、警察、消防、関係機関の約40人が出席した。