沖縄・多良間島、懐かしの「そば」を横浜・鶴見で 旅館「みどりや」の味を再現
滋味深い多良間島の往年の味わいが2、3の両日、横浜市で復活した。 そば屋も兼ね、今はなき旅館「みどりや」で地元客に愛された宮古そば。横浜市鶴見区の入船公園での鶴見ウチナー祭に合わせて島出身の2世石渡秀和さんが、母の逸子さん、姉の清美さんと島の味を再現した。祭り会場には東京多良間郷友会の会員も訪れ、故郷の至高の一杯を満喫し、懐かしんだ。 今回復活させたそばは名付けて「カニビラそば」。伯母も母も旧姓が花城で、屋号の「カニビラ」を採用した。今回再現されたそばはカツオなど海由来の素材のうま味を生かし、あっさり、なめらかな出汁(だし)は透き通る。島ならではの風味をかもし、その味わいは腹も満たし、体も心地よく癒やす一杯に仕上がった。 元々は多良間島で旅館を経営した伯母夫婦の手作りだった。地域住民で満席にした昼膳の味わいを島に出向いて伯母の味見も経た一品だ。 初出店の祭り会場では郷友会のメンバーをはじめ来客が次々。「おいしかったよ、とわざわざ言いに来てくれる客もいて反応もいい」と石渡さん。南風花食品(東京都)の仲筋信夫社長の協力を得て実現したそばの復活に「一つ前進できたかなと思う」と食を通した島への貢献に手応えを感じた。
逸子さんも出汁(だし)の仕込みが「最初は大変だったけど、しっかり再現できた」と満足げ。次代につながった郷里への思いに「多良間島を広く知ってもらうきっかけになれば。頑張って」と息子にエールを送った。 (斎藤学)
The Ryukyu Shimpo Co., Ltd