捕手を取り巻くMLBのシビアな環境 時短ルールで盗塁増、“裏技”のフレーミングも仕方なく習得(友成那智)
【メジャーリーグ通信】 メジャーリーグでは試合時間の短縮につながる新ルールが次々に導入された結果、平均試合時間は2022年に3時間4分だったものが、昨年は2時間39分になった。 ❤ 超 絶 貴 重 写 真 ❤ 真美子夫人の艶やかで激カワな晴れ着姿を見る! しかし、新ルールは捕手の生存環境をさらにシビアなものにしている。昨年、導入された新ルールでピッチャーの牽制球が実質2球までに制限されたが、これは盗塁を激増させる結果になり、成功率が格段にアップした。それに泣かされたのはキャッチャーだ。昨年の平均盗塁阻止率は15.9%という情けない数字に。肩が弱くなったベテランたちは阻止率が軒並み1桁台になり、引退年齢が早まった。 MLBの公式データでは昨年の平均盗塁阻止率は20.0%となっている。これは牽制球で刺されたケースも含んでいるためで、走者が盗塁を試みて、捕手からの送球で刺されたケースだけに限定する日本式の計算法だと、昨年の平均盗塁阻止率は15.9%まで下がってしまうのだ。 MLBは、それまでキャッチャーの裏技だったフレーミングを重視。数年前から捕手が巧みなミットさばきでボール球をストライクとコールさせた回数をカウントし、得点換算してランキングを発表している。 守備力に定評があったベテラン捕手の中には、フレーミングのような姑息な技術に背を向け、MLBのやり方を批判していたものが少なくなかったが、フレーミングをやらないとランキングでワーストレベルにランクされてしまう。守備力に定評があったベテランにとってそれは耐え難いことで、彼らは仕方なく、キャッチャー出身のコーチらに頭を下げてマンツーマンでレクチャーを受け、フレーミングを習得。実戦でもフレーミングを使って審判のボールをストライクとコールさせるようになったが、それに満足しているようには見えない。必要ないと思っていたものを、仕方なくマスターすることは、彼らにとって決して納得できるものではないだろう。 捕手の存在感低下も著しい。最近は、ゲームプランニングコーチ、ストラテジーコーチ、キャッチングコーチといった新しい役職を設ける球団が増えている。相手チームの作戦傾向や弱点を分析して捕手に伝え、試合で生かすためだ。 もっとも、こんな役割を担うコーチがいると、キャッチャーは手抜きができず、事前にデータやリポートにしっかり目を通し、準備しなければならない。一見、よさそうに見える作戦担当コーチの存在は、若い捕手たちの成長を阻み、疲弊させているように思えてならない。 ◇ ◇ ◇ そのように目まぐるしく変革するMLBで活躍する大谷だが、元通訳・水原一平被告に盗まれた26億円超はもはや回収不能で、泣き寝入りするしかないと見られている。 ●関連記事【もっと読む】…ではそれらについて詳しく報じている。 (友成那智/スポーツライター)