「ウォーキング」だけしていても、残念ながら「寝たきり」を防ぐことはできない意外なワケ
「遅筋繊維」を鍛えても寝たきりは予防できない
もう1つの遅筋繊維は、速筋繊維に比べて、筋肉の収縮するのが遅く、力が弱い一方、持久性に優れています。 思い浮かべてください。 陸上競技の100メートル走の選手とマラソンの選手、どちらの足が太いでしょうか。 100メートル走の選手ですよね。 それは、前者がスピードを求め、主に速筋繊維をトレーニングで鍛えているのに比べ、後者は持久力を求め、トレーニングで主に遅筋繊維を鍛えているからにほかなりません。 前置きが長くなりましたが、ウォーキングで鍛えられるのは遅筋繊維です。 さて、ベッドから起き上がるときの動作を思い出してください。 一瞬で体を起こすには、瞬発的な動きが必要になります。 だから、ウォーキングでは、寝たきりは予防できないのです。 また、年齢を重ねるとともにより落ちやすくなるのは速筋繊維といわれています。 「肉体的な老化」を予防するという観点からすれば、ウォーキング以外の運動が必要なのは明らかです。
上村 理絵(理学療法士)