【ふくしま創生臨時支局・常磐湯本】着物でフラ、湯本温泉発信 福島県いわき市で訪日客誘致の取り組み本格化
福島県いわき市やいわき観光まちづくりビューローは今年度、いわき湯本温泉などへのインバウンド(訪日客)誘致の取り組みを本格化させる。12月に台湾で開かれる商談会に観光・宿泊関係者とともに参加し、現地の旅行会社にいわきの魅力をアピールする。 いわき湯本温泉の女将(おかみ)らでつくる「フラ女将」は既に、動画投稿サイト「ユーチューブ」などを通じて着物でフラを踊る様子を国内外に発信している。女将でつくる湯の華会会長の小井戸文恵さん(59)=旅館こいと=は「全国にも珍しい女将のフラは、外国人客に喜ばれるはず」と意欲を見せる。 市によると、日帰りと宿泊を合わせたいわき湯本温泉の観光入り込み客数は、震災発生前の2006(平成18)年は62万69人に上ったが、2023(令和5)年は21万2353人にとどまった。 いわき湯本温泉の女将らが2015年に「フラのまち宣言」を発表してから今年で10年目に入った。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故、新型コロナ禍の苦境に遭っても笑顔を絶やさず、フラ女将としておもてなしをけん引してきた。
24日夜、JR湯本駅前の「あとち広場」で「フラのまちオンステージ2024」が開かれ、フラ女将5人がトリを飾り、トレードマークの着物姿で3曲のフラダンスを披露した。震災と原発事故で女将が感じた不安や、いわきで生きる決意を歌詞に込めたオリジナル曲「夢花涙雨」を最後に踊ると、観客から大きな拍手が湧き起こった。 ■温泉むすめ「いわきあろは」誕生日 新デザインお披露目 いわき湯本温泉をPRする「温泉むすめ」のキャラクター「いわきあろは」の生誕を祝う「あろはちゃんパーティー」は誕生日の24日、温泉街の旅館こいとで開かれ、「いわきあろは」の新デザインがお披露目された。 新デザインは湯本温泉のうち吹の湯旅館と、うお昭をPRする2種類。吹の湯は仲居をイメージした姿、魚料理が自慢のうお昭は魚を持った姿が特徴。吹の湯は25日から、うお昭は準備が整い次第、パネル展示やグッズ販売を始める。 パーティーはファン有志が企画し、県内外から約30人が参加した。神奈川県平塚市から訪れた会社員柴田進さん(38)は「『いわきあろは』をきっかけに湯本温泉のファンになった。また来たい」と話した。