刀根綺萌と中嶋とわ…心待ちにしたインターハイで躍動する四日市メリノール学院の1年生たち
「前半は全然ダメで何もできなかったのですが、先輩たちからの声掛けなどで、後半は自分のモチベーションが上がりました。そこで自分のできることはできたかなと思います」(中嶋とわ) 「全国大会というものがはじめてで緊張もしたのですが、先輩やコーチの方に『思い切りやっていいよ』という声を掛けてもらい、自分のできるプレー、オフェンスはできたかなと思います」(刀根綺萌) 足羽高校(福井県)との1回戦に勝利した四日市メリノール学院高校(三重県)。スターターで出場した1年生2人は、それぞれに笑顔で試合を振り返った。 8月4日、「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」が開幕し、四日市メリノール学院はアクシオン福岡にて足羽と対戦。足羽は、昨年のウインターカップで1試合44得点を挙げた平野里奈(3年)を擁するチームのため、「足羽はドライブが速いのでそこへのケアをしつつ、平野さんをしっかり守る」(稲垣愛コーチ)ことを意識して臨んだ。 試合は、出だしから互いに譲らず。四日市メリノール学院は太田蒼(3年)に得点を挙げるものの、足羽の高さに苦戦し、リバウンドなどから失点を許す。また、足羽の高確率の3ポイントシュートにも手をこまねき、前半を終えて8点ビハインドとなった。しかし、「前半はディフェンスでよく踏ん張っていたので、後半に(そのディフェンスが)効いてくるよと言っていました。その通りに選手たちが頑張ってくれました」(稲垣コーチ)と、後半ではディフェンスがよりハードになり、そこからジリジリと追随。第3クォーターを終えた時点で2点リードと逆転して終えると、第4クォーター中盤には一気にリードを広げた。最後は平野を中心とした足羽の猛攻を受けたものの、78ー71で勝利。2回戦進出を決めた。 この試合、四日市メリノール学院は、大田の23得点に次ぐ18得点を奪取したのが刀根で、巧みな1対1などセンスあふれるプレーを披露。積極的な攻撃でチームに勢いを与えた。 三重県出身の刀根は、付属の四日市メリノール中学校出身の選手が多い中、勢和中学校から高校に入学。それこそ、中学時代は対戦相手として戦ってきた(クラブチームのM's MAGICでも活躍)。四日市メリノール学院高校へと進んだ理由については、「中学の県大会で四日市メリノール学院のことは見ていて知っていたし、愛コーチのもとでやってみたいという思いがありました。体験(練習)に行ったときにすごく楽しくて、入ろうと決めました」と、語る。そして現在は入学してから4カ月が過ぎたところだが、「毎日が楽しいです! 中学のときより(練習から)声を出すようになり、声を出すだけで雰囲気は全然変わると思っていて、そこが楽しいのと、みんなスキルが高くて、すごいところに合わせてくれるのでやりやすいです」と、声を弾ませた。一方でディフェンスは自身の課題と捉えており、2回戦に向けても「ディフェンス面で声をもっとかけてチーム全体で守れるようにしたいです」とも抱負を語った。 その刀根と中学時代にマッチアップしていたというのが中嶋で、足羽戦では約25分半の出場。ポイントガードとして速い展開のバスケットを演出し、自身も7得点3アシストをマーク。中でも大事な場面での得点が光った。 それこそ中嶋は福岡県出身。そのため、自身初のインターハイを地元で迎えた。「知っている人がたくさんいる中で、どれだけ成長できたかをみんなに見せたいと思っていました。四日市メリノール学院のバスケットをもっと福岡の人や全国の人に知ってもらうためにしっかり自分が活躍したいなと思っています」という。 四日市メリノール学院中学校出身の中嶋は、「愛コーチとは(中学から通して)4年目。中学1、2年生のときの先輩たちとも、もう一度一緒にバスケットができる」ということに喜びを感じているという。2回戦に向けては、「今日の試合では自分の気持ちをコントロールすることが反省点になったので、(2回戦では)何があってもチームのみんなに声をかけて、いい試合ができるようにしたいです」と、意気込んだ。 3年生から1年生までが一丸となって戦う四日市メリノール学院。5日の2回戦は同じく機動力を持ち味とする岡豊高校(高知県)と対戦する。刀根、中嶋に加え、インサイドで体を張ったプレーで1回戦では13得点を挙げた伊藤千寛など、結果はもちろんのこと、思い切りの良いプレーを見せる1年生たちの奮闘にも注目だ。 文・写真=田島早苗
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