大雨で決壊した由利本荘市の堤防の復旧方法を議論 「長時間越水しても致命的な被害を受けない粘り強い堤防にしていく」
ABS秋田放送
国土交通省秋田河川国道事務所は今年7月の記録的な大雨で決壊した由利本荘市の堤防について、20日専門家と原因を分析し復旧方法について議論する委員会を開きました。委員会は堤防が決壊した原因をあふれた川の水で堤防が流される「越流」による影響が大きいと結論づけました。 委員会では大学教授など5人の専門家が7月の記録的な大雨で由利本荘市の子吉川と石沢川の堤防が決壊した原因を分析し、その復旧方法を議論しました。 子吉川と石沢川は7月の大雨によりあわせて7か所で堤防が決壊しました。土のうを並べたり盛り土をしたりして応急的な工事はすでに終わっていますが、本格的な復旧はこれからです。 委員長を務める松冨英夫秋田大学名誉教授は堤防が決壊した原因を『あふれた川の水の力で堤防が流される「越流」による影響が大きいと結論づけた』と述べました。 松冨委員長 「堤防の整備段階を超える雨が降って川の水がこぼれたと。流れるってことは土を削る方向に作用してるということで、少しずつ天場から崩れると。あの高いところからですね削れていくという、そういう状況ですね。」 また、委員会は、堤防の復旧工事について大規模なものを作るのではなく、越水したとしても耐えられる強固なものを作るべきだと提言したということです。 松冨委員長 「一気にはあの、100年とか200年とかそういう雨に対してもつような堤防を作る訳にはいきません。ですから粘り強いものを作っていくと、堤防は高さは今までどおりかもしれないけれども、長い時間越水したとしても壊れない。致命的な被害を受けないようにということで、粘り強い堤防にしていくと、そういう方向ですね」 秋田河川国道事務所は委員会の議論を報告書としてまとめ、来年度中に堤防の本格的な復旧工事に着手する考えです。