新紙幣発行へ バスの両替機対応間に合わず 乗客「新しいお札しかない」どう対応? ラーメン店など小規模事業者に重い負担
■移転オープンしたばかり…ラーメン店で嘆きの声 苦しむ事業者もいる中、なぜ紙幣が新しくなるのでしょうか。最大の理由は、偽造防止です。新紙幣では傾けると肖像の向きが変わる世界初の技術が施されました。 新札の発行から時間が経つと偽造されるリスクが高まるため、おおむね20年ごとに変更されているのです。 日本銀行大分支店 安徳久仁理支店長: 「事業者のみなさんにご負担かけていることは理解している。そのうえで、安全でクリーンな銀行券をこの先も日本のいかなる場所でも流通させていくことが必要」 花びらのように盛り付けられたチャーシューが売りの「大分ラーメン十八番」。もともと別府で営業していて、去年11月に大分市原新町に移転しました。あっさりとした豚骨スープで、優しい味わいがクセになる人気店です。 連日客足が絶えず、注文は券売機を使っていますが、物価高に頭を悩ませるなか、新紙幣への対応にも迫られています。 大分ラーメン十八番 三浦雄次代表: 「もうどうしようもないです。本当は国の援助をもらいたいけど、そういう訳にもいかない」 7月3日から発行される新紙幣。新しいお札が使えるように店では6月中に数十万円の経費をかけ、券売機のシステムを更新します。実は去年11月に移転オープンした際、新紙幣対応の券売機を導入しようと考えましたが、「当時は販売されていなかった」と嘆きます。 大分ラーメン十八番 三浦雄次代表: 「新しく移転したときに券売機を導入したけど、その時にはすでにわかっていた。わかっていたことですけど、マジかよですよね」 ■2026年にも切り替えのタイミングが… 一方、駄菓子とたばこを販売する「薬師寺商店」。去年11月に新500円硬貨への対応を取材した際は、所有するすべての自販機で対応できていませんでした。 半年が経ち、店主に話を聞いてみると、「いまは新500円硬貨が流通してきているので少し困る。ただ費用がかかるので対応は考えていない」と話しています。
当初は新紙幣の発行にあわせて更新する予定でした。しかし、2026年3月までにマイナンバーカードや免許証で成人を識別するたばこ自販機に切り替えなければならないことがわかり、「二重の経費はかけられない」と話します。 薬師寺商店 薬師寺由美さん: 「たばこの利益で駄菓子の仕入れができているので、たばこを買ってくれる人はありがたいけど、元を取るのに何年かかるかなという感じなので、機械を変えることはしません」 20年ぶりとなる新しい紙幣の発行。事業者にとっては大きな負担になっているのが実情で、完全に対応するにはまだまだ時間がかかりそうです。
大分放送