119番すべきか病院に行くべきか、電話窓口「#7119」の相談増加…大分県が全県で運用検討
大分市は10月から、救急車を呼ぶべきかどうか迷った時の電話相談窓口「#7119」を運用している。看護師らが症状を聞き取って対処法を助言するため、不急の119番を減らし、救急隊員の負担軽減や救急車の現場到着時間の短縮などが期待されている。2か月間ですでに約1800件の相談が寄せられており、県も来年度からの全県での運用を目指している。(池田圭太) 【写真】緊急性低い救急搬送には「特別料金」
#7119は、急病やけがの際に119番すべきかや病院に行くべきかを迷った時などの相談窓口。政府が全国展開を推進しており、総務省消防庁によると11月現在、31都府県が全域で実施している。大分市や名古屋市など、一部の自治体だけで運用している例もある。
大分市は10月1日に開始。病院が開いていない時間帯の受け皿として、月~土曜は午後7時~翌日午前8時、日曜と祝日は午前8時~翌日午前8時に受け付けている。今年度の事業費は業務委託費など計1300万円で、3年以上の実務経験がある看護師がコールセンターで対応している。
市保健所保健総務課によると、11月末までの相談件数は1785件。うち119番を勧めたのは252件、医療機関の受診を勧めたのは830件だった。残りの703件は、休日の当番医の確認や、#7119で対応していない心の病や薬の相談などだった。
市の利用状況を踏まえ、県は来年度から全県での運用開始を目指し、各市町村の意向を確認している。
大分市の足立信也市長は11月の定例記者会見で「119番に寄せられていた電話の受け皿として、救急車の適正利用に寄与することも考えられる」と手応えを語った。
年末年始の今月29日~来年1月3日は24時間対応する。通話料は自己負担。市は、明らかに緊急を要する場合は迷わず119番するよう呼びかけている。
昨年の救急出動 大分市過去最多
大分市の救急出動件数は、高齢化などの影響で増加傾向にある。市消防局によると、2023年は、過去最多だった22年を1748件上回る2万3548件だった。
搬送人数は22年より1985人多い1万9907人。このうち病院で「軽症」と診断された患者の割合は37.8%で、2年連続で増加した。通報を受けてから現場に到着するまでの平均所要時間は8.2分だった。