チャノス氏、「詐欺の黄金時代」にあって空売り筋は資金調達難化
(ブルームバーグ): 伝説的投資家のジム・チャノス氏は太陽光関連株からデータセンター株まで空売りの機会が多くあると見ている。ただ、問題なのは、同氏のような弱気なマネーマネジャーが資金集めになお苦労していることだ。
米エネルギー企業エンロンの経営破綻を予見したことで名をはせたチャノス氏は、絶え間のない強気相場が多くの企業のバリュエーションを膨張させており、今は「詐欺の黄金時代」だと改めて嘆いた。住宅用太陽光発電関連企業が「四半期当たり何百万ドルも無駄にしている」と指摘したほか、旧来のデータセンターは、インフラが新技術と互換性がない恐れがあり、人工知能(AI)革命で大きな敗者となる危険があると述べた。
チャノス氏は12日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「非常に多くの企業が駆け引きをし、投資家を利用しようとしている。だから、これまで以上に空売りが必要だ」と語った。
空売りのアイデアを実行する機会は豊富にあるにもかかわらず、機関投資家が弱気戦略への投資に関心を示さないことが、チャノス氏らショートセラーが苦戦している理由の一つだ。
チャノス氏は、企業の不正を暴く好機だとしながらも、空売り集団がすぐに大きな資本を集めるとは考えていない。
同氏は「難しくなっている。誰もしたがらない」と述べ、空売りヘッジファンドが減少している主な理由として、低金利時代と「これまで15年続いている強気相場」に言及した。
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原題:Chanos Says It’s Hard to Raise Cash in the ‘Golden Age of Fraud’(抜粋)
--取材協力:Alix Steel、Romaine Bostick.
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Denitsa Tsekova, Scarlet Fu