館山総合高に地域防災力向上知事表彰(千葉県)
長年にわたり、地域と連携した防災活動を行ってきた館山市の館山総合高校が、「千葉県地域防災力向上知事表彰」を受けた。表彰式が県庁であり、熊谷俊人知事から表彰状と記念の盾が贈られた。 表彰は、防災対策の自助・共助の取り組みを一層促進するため、2012年度から県が行っている。他の模範となる活動を実践している自主防災組織や学校などを表彰している。 13回目となる今年度は、館山総合高の他、自主防災活動を行う2団体、1校が表彰された。 同校では、地域住民向けに災害時の行動などをまとめた「防災マニュアル~生き抜くための6か条~」や、楽しみながら防災を学ぶ「防災すごろく」を考案し、市民らの防災意識の向上を図っている。 2019年の令和元年房総半島台風の際は、被害の大きかった地区を訪問し、生徒から主体的に支援活動を申し出て、支援物資の配布などを行った他、被害状況や被災者の声を消防や行政に連絡し、被害状況の把握に貢献した。 また、14年から継続的に館山市内各地区の防災訓練に参加し、住民らと共に訓練するなどして、地域防災力の向上に一役を買っている。 さらに、今年8月には「第72回全国高校家庭クラブ研究発表大会」の学校家庭クラブ部門に関東ブロック代表として出場し、これまでの防災・減災への取り組みを発表。全国2位に当たる、産業教育振興中央会賞を受賞している。 家政科3年の東瀬葵さん(18)は「表彰されたことはとてもうれしい。先輩たちの思いを受け継いで長年やってきたかいがあった。多くの人の努力の結果だと思う。私たちの活動にはまだまだ改善点があるので、後輩たちには意思を引き継いでもらい、地域の力になれるように頑張ってほしい」とエールを送った。 薮﨑秀人校長は「生徒たちが自ら考えて行動したことが今回の表彰につながったと思う。本校としても生徒の考える力を育んでいき、さまざまな事態に対応できるような人材を輩出し、地域に寄与していきたい」と思いを話した。 (押本裕也)