「石川県には来て」閑散とした金沢の観光地 一方で“観光呼びかけ”による復興への影響に懸念も
北陸放送
■「能登には来ないで、でも石川県には来て」 馳知事が今月17日、SNSで発信したこの言葉。地震被害が大きい能登で支援を優先させるため、一般の人に来ないでほしいと呼びかけたものです。 【写真を見る】「石川県には来て」閑散とした金沢の観光地 一方で“観光呼びかけ”による復興への影響に懸念も 一方で、3月に北陸新幹線の延伸を控えていることもあり、被害の少ない金沢より南の地域には来てほしいとしていますが、今後の復興支援を見通すうえで不安視する声もあります。 ■閑散とした観光地…「石川県に来て」 今月13日の金沢市のひがし茶屋街。普段大勢いる観光客の姿は少なく、いつもより閑散としていました。 こうした中、馳知事がXで発信したのは石川県への誘客。「甚大な被害があった奥能登とは違う状況で、頑張っている県民を支えることになります」と発信しました。 馳知事(今月19日) 「北陸新幹線開業、それに伴う準備段階も含めて観光産業は引き続き進行していく考えは変わりありません。石川県ほとんど全体が被災したという実態を理解するとともに、消費活動も経済活動もお願いできれば売り上げは能登を支えることにもなる」 観光地では実際に観光客不足を嘆く声も聞かれます。 ひがし茶屋街の観光ボランティア 「がっくりですね、観光客は激減です。来ていただけるだけで感謝です」 ただ、観光学の専門家は、県外の観光客を呼び込むことに心配なところもあると話します。 ■観光需要で宿泊塞いでしまうと…復興に懸念も 金沢大学 井出明教授 「今、金沢市内で宿泊できる手ごろな価格帯の宿は、大きなホテルでもピンポイントで何日かに1回1泊空いている状況で、そこを観光需要でふさいでしまった場合、被災地支援にどのくらい影響が出るのかまだわからない」 観光を支える大きな要素の一つ、「宿泊」が金沢では足りていない状況だと指摘。 実際に支援に入ろうとした団体が、白山市まで行かないと長期滞在できる場所が見つからなかったこともあると言い、能登半島地震の復興規模が大きい現状で、遠方からの支援者に宿がない状況は、望ましい状態ではないといいます。