「死んでいるのに出過ぎでは？」

ドラマでは古川琴音演じる水季（右）の存在感が話題に（公式X@umi_no_hajimariより）

人気グループ『Snow Man』の目黒蓮（27）が月９初主演を務めるフジテレビ系ドラマ『海のはじまり』が23日放送の最終回を残すのみとなった。 【爽やかすぎ】すごい…早朝にスーツ姿で「夏」を演じていた目黒蓮 同ドラマは、脚本が生方美久氏、演出が風間太樹氏、プロデュースは村瀬健氏。’22年10月期に目黒が出演して社会現象となるブームを巻き起こした同局のドラマ『silent』チームが再集結し、「親子の愛」をテーマに描く完全オリジナル作品だ。 目黒演じる主人公・月岡夏は、大学時代に古川琴音（27）演じる恋人・南雲水季から別れを告げられて破局していた。その７年後、社会人になった夏は水季が亡くなったと伝えられて、葬儀に参列したところ、そこで出会った泉谷星奈（７）演じる海という少女が自身と水季の実子だと知る。夏は海と暮らすことを決心し、父としての役割を果たそうと奮闘する姿が描かれている。 「最近のドラマでは珍しい全12話の放送です。８月下旬、目黒さんが体調不良で活動を休止し、療養期間を設けていたことを所属事務所が発表したことから、ドラマの撮影も含め、かなりのハードスケジュールをこなしていることが危惧されていました。ようやく撮影が終了して、目黒さんも撮影中よりはだいぶ身体が楽になったのではないでしょうか」（芸能記者） 同ドラマは、毎回のように放送後SNSでトレンド入りし、さらに海の誕生秘話が描かれた第６話では見逃し配信数が放送後１週間で434万再生を突破するなど大きな話題になっている。そんな中、回を重ねるごとに、古川演じる水季に対して、《もう死んでたよね？》《死んでいるのに出過ぎでは》などと、ネット上でささやかれるという現象が起きている。 ドラマが始まった時点で水季は子どもを残して亡くなっていたはずだが、第１話から毎回登場。夏との大学時代の交際ぶり、海との日常の生活や勤務していた職場での様子、実家での大竹しのぶ（67）演じる母親との会話などが回想シーンというよりは、まるで〝現在進行形〟のように描かれていた。現在の夏の恋人役を演じた有村架純（31）より登場シーンが多い放送回もあった。 さらに、目黒の体調不良によって第９話の放送が１週延期になったために、急遽８月26日に放送された「特別編」は、水季と職場の同僚で彼女の子育てを全面的にサポートしてくれていた、池松壮亮（34）が演じる津野晴明とのエピソードとなっていた。この「死んだはずの水季の登場」について関係者は次のように分析する。 ◆なぜか『いちばんすきな花』の登場人物も 「これまでの村瀬・生方作品である『silent』『いちばんすきな花』でも主要登場人物の過去を掘り下げるシーンにかなりの時間を割いていました。登場人物が過去にどういう生活をしていたか、主人公の過去の人間関係などは視聴者も知りたいところです。しかし、放送話数の関係もあり、大半のドラマはなかなか丁寧に描けていません。 それを描くことで、ストーリーにより深みをあたえて、視聴者が登場人物の感情に寄り添うことができるのです。『海のはじまり』の場合は重要な登場人物の古川さんが亡くなったところから話が始まっていたために、視聴者へのインパクトがより強かったのでしょう。ただ、今作は『特別編』が挟まったこともあり、これまでの作品よりも、さらに過去のシーンの時間が多い印象ですね」（放送担当記者） また、16日放送の第11話には、『いちばんすきな花』の主演の１人だった今田美桜（27）が同ドラマとまったく同じ美容院の美容師役で友情出演を果たしたことも、登場直後からネット上で話題になっていた。この点は現在ヒット中の映画『ラストマイル』に、同じ制作陣が手がけたドラマ『アンナチュラル』や『MIU404』（ともにTBS系）の登場人物が同じ世界線で出演していたこととも重なる。 「今回のドラマの手法から、テレビ各局の制作部門の担当者は学んだことが多かったはずです。どの局も平均世帯視聴率の伸び悩みは共通の課題で、それを打開するためには、より新しいことにトライすべきでしょう。今後は他のドラマで、わざと大物を亡き人物役で起用してみたり、同じ制作陣が手がけた他のドラマのキャラを登場させるというようなパターンが頻発するかもしれませんね」（同前） 23日に迎える最終回では、まだまったく予想のできないストーリーの結末とともに、どのポイントがネット上で話題になるのかも注目される。