一気に40匹以上も… 中国じゅうで「犬が毒殺される」事件が激増して国民も激怒
少子化が進む中国ではいま、ペットを飼う人が増え続けている。10年後、同国都市部の4歳以下の子供の数は4000万人未満に減少する一方、ペットの数は7000万匹を超えると予想するゴールドマン・サックスの調査結果を、米「CNBC」が報じた。 英誌の報道「中国の日本人男児刺殺事件は起こるべくして起こった」 そんななか、不気味な事件が増えている。中国メディア「シックス・トーン」によれば、犬が毒殺される事件が大量発生しているのだという。 広東ペット産業協会(GPIA)は、毒物によって死亡した犬の事件が11月8日だけでも40件以上確認されたと発表した。成都をはじめとする全国の都市でも同様の事件が起きており、シンガポールメディア「CNA」によれば、5月には北京の豊台区で20匹以上の犬が毒によって死んでいる。 シックス・トーンによれば、犬が毒殺される事件はこれまでにもあった。その多くは「飼い主が犬の排泄物を片付けなかったり、犬を放し飼いにしたりしたことに腹を立てた近隣住民によるもの」だ。だが、最近の毒殺事件の規模はあまりにも大きく、国内に衝撃が広がっている。 犯人は何者なのか、動機は何なのか、まだわかっていない。ただGPIAによれば、広東の広州市で殺された犬のほとんどは、散歩中に立ち寄った公共の広場に撒かれていた「有毒な液体を飲んだり、粉末を嗅いだりして死亡した」という。 一連の事件を受け、中国ではペット殺しにまつわる法律が、国民のあいだで激しい議論を呼んでいる。というのも、同国には野生動物や家畜、実験動物を保護する法律はあるが、ペットに関してはそういった法律が存在しない。 「他人のペットを毒殺した罪で有罪となった者はこれまで、民事罰を受ける傾向にあった。だがここ数ヵ月、こうした事件を刑事犯罪として扱うよう政府に求める声が高まっている」とシックス・トーンは報じている。
COURRiER Japon