藤井フミヤ“初めてのオーケストラ歌唱”で困惑!?「“どこに合わせればいいんだ!?”っていう感じでした」
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、ミュージシャン・藤井フミヤさんと常連客の東京藝術大学学長・日比野克彦さん。日比野学長が驚いた東京藝大の授業とは?
◆個性的な学科の集まる東京藝術大学
日比野:(東京藝術大学には)「藝大フィルハーモニア管弦楽団(以下:藝大フィル)」というオーケストラがありまして。例えば、オペラを学んでいる声楽の子たちが藝大フィルの伴奏で歌ったり、バイオリンや管楽器(を学ぶ学生が)藝大フィルと一緒に演奏して鍛えられる、っていうのがあるみたいですね。 藤井:なるほど。尺八(の授業)とかもありますもんね。 日比野:邦楽科・邦楽専攻があるんですよ。尺八、琴、あと“謡(うたい)”なんかもありますね。 藤井:そういうのもあるんですか!? ピアノやバイオリンとかで藝大を目指す人はわかるけど……。 日比野:僕も学生に「なんで邦楽を始めたの?」って聞いたことがあるんだけど、家元とか関係なく「小さいときに邦楽がすごく好きになった」とか「かっこいいな、自分も歌いたいな」みたいな理由で入学してくる子が結構いました。子どもって不思議だよね。 藤井:へぇ~。 日比野:あとは指揮科ね、指揮科の授業を初めて見たときは衝撃的だった。“どうやって教えるんだろう?”って。 藤井:あぁ~、そうですよね。 日比野:学長といっても、知らない音楽学部の授業ってたくさんあるので、(授業を)結構見に行ったりするんですよね。そうしたら(指揮科の授業は)もう“演技指導”みたいな感じで。“へぇ”と思ったのは、指揮通りにピアノを弾くことができるピアニストがいるんですよ(笑)。 藤井:(笑)。僕もフルオーケストラのなかで何回か歌ったことがあるんですけど、最初、指揮者の仕事はテンポを取ることだと思っていたんですよ、でも全然違うんですね。テンポなんてないですね(笑)。 日比野:(笑)。 藤井:だって、イントロのテンポとAメロのテンポが、まるっきり変わったりしていましたから。なので、初めて歌ったときは“大海原にひとりぼっち”みたいな“どこに合わせればいいんだ!?”っていう感じでした。 でも次第に、現場監督というか、「全体的な流れのムードを作るのが指揮者なんだな~」っていうのを、そのときに初めて知りましたね。 日比野:楽譜をどう読み取って、どのような演奏にするかっていうのは、本当に指揮者次第なんですよね。 藤井:全部の楽器の楽譜が頭のなかに入っているんですもんね。それはそれで楽しいんだろうなぁ。 日比野:そうだろうね。 (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」放送より)