「斎藤知事は本気で再選を見据えている」…「失職」を選んだ理由 会見でアピールした「公約99%達成」のウソ
すでに知事選に突入
「知事は会見で『解散する気は最初からなかった』と言っていましたが、それは違うと思います。本音では自分の任期を3年で終わらせようとした県議会に恨み骨髄でしょうから、議会解散と迷っていたと思います。しかし、それをすると100人ほどにもなる立候補者の声が全て、斎藤県政の批判になりかねない。しかたなく解散を諦め、失職を選んだのでしょう。辞職でなく失職を選んだのは、出直し選挙で当選した場合の任期が、残り1年ではなく4年になるから。コスパがいいからですよ」 あくまでも当選すれば、の話である。 「そのため不信任決議の翌日から関西ローカルのテレビに出まくり、これまでの実績をアピールした。すでに斎藤知事は次期選挙戦に突入していたのです。失職を26日の会見で発表したのもそう。本当は19日の不信任決議から10日以内に県議会を解散し、辞職の発表をすればいいのです。失職ならそのまま会見をせずにフェードアウトしても、自動的に30日に決まる。しかし、そうしなかったのは、記者クラブからの要請もあったそうですが、知事再選を見据えて会見を開きたかったらです。原稿も見ない淀みない喋りも、ずいぶん練習したのでしょう」 会見は29日がギリギリの日程だった。ところが――。
改革の成果ではない
「28日は土曜日で29日は日曜日。会見を行うには県職員を使わねばなりませんから、土日に会見を開くと、またパワハラだの言われかねない。27日の金曜日がギリギリの日程でした。ところが、その日は自民党総裁選があるから、斎藤知事が会見を開いても注目されることはない。そこで前日の26日の木曜日、それも午後3時からと、ワイドショーでも取り上げやすい時間帯を選んだのです」 事実、26日の失職会見でも、冒頭のセリフの後は自己アピールだった。 斎藤知事:まず自らの給与・退職金をそれぞれカットいたしまして、批判の大きかった公用車センチュリーのリースを大幅に見直させていただいた……。 「給与3割減、退職金5割減は、たしかに実績に数えていいと思います。公用車のセンチュリーをアルファードに変更したのも、コストカットになっています。ただし、この車に乗って県内の施設に出張した際、エントランスの20メートルほど手前で車を降りて歩かされたことに激怒していたわけです」 他にも、県立大学の無償化、県の貯金が30年ぶりに100億円を超えたことなども改革の成果として挙げていた。 「地元紙も報じていますが、県立大の無償化については、昨年春に県内の高校を卒業した人のうち県立大に進学したのは757人で、わずか1・8%です。受益者があまりに限定的と議会でも批判されていました。また、県の財政調整基金が130億円になったことは事実ですが、それは企業の業績が好調で税収が増えたから。斎藤知事の行政改革で成し得たものではないと担当部長も認めています」 そもそも斎藤知事は7月30日の会見で、こう自慢していた。