搾汁の残りかすを飼料に 山形食品(南陽)大型乾燥機を導入
県産果実飲料などを製造する山形食品(南陽市、太田聡社長)は搾汁した残りかすを効率良く乾燥させる大型機械を導入し、29日に同社で稼働を始める点灯式を行った。処理後は水分が10%未満になり、配合飼料として再利用する。廃棄物の有効活用、循環型農業への貢献を目指す。 同社では1年間にリンゴなど果実の残渣(ざんさ)が約1100トン、お茶やコーヒーの残渣が約1200トン出る。これら廃棄物の処理は大きな課題であり、解決策の一つとして今回、自社の本工場に大型コンテナのような乾燥機を設置した。プラズマイオンとスチームによる保温効果で低温、低コスト乾燥が可能だという。国の飼料自給率向上緊急対策事業の補助金を活用した。 本年度は果実の残渣約450トン分を処理する計画。1日5トンが目安で、約20~22時間かけて1トンまで圧縮する。同社は今夏、地元電力会社と連携し残渣を発電に回す取り組みも始めており、並行して廃棄物の削減につなげていく。
式には関係者約30人が出席した。神事に続き、同社の折原敬一会長があいさつし「飼料価格が高騰している。乾燥処理した飼料を地元畜産農家へ供給し、地域循環型農業にも貢献したい」と期待感を示した。