モルディブ議会選、大統領派が過半数獲得の見通し 親中姿勢が加速
インド洋の島国モルディブで21日、議会選(1院制、定数93)があり、ムイズ大統領が率いる人民国民会議(PNC)が過半数を獲得する見通しとなった。モルディブではインドと中国が影響力を競ってきたが、昨年9月の大統領選で親中派のムイズ氏がインドや欧米との距離が近い現職候補を破った。ムイズ氏の施政方針が議会でも支持を得た形で、より親中姿勢が加速するとみられている。 【地図・写真で分かる】インドとモルディブ、中国の関係は モルディブはペルシャ湾と東アジアを結ぶ海上交通路の要衝。地元メディアが報じた途中集計によると、ムイズ氏のPNCは66議席を獲得、ソーリフ前大統領が所属するモルディブ民主党(MDP)は12議席にとどまった。議会選前はMDPが最大勢力だった。 ムイズ氏は昨年11月の就任後、初めての外遊先に近隣の地域大国インドではなく中国を選び、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の事業を推進することなどを確認した。今年3月には中国から無償の軍事支援を受けることを盛り込んだ協定に署名。中国との関係強化を進める一方、インドとの関係の冷え込みが懸念されていた。【ニューデリー川上珠実】