懸念されるバター不足 猛暑予想の夏 牧場では暑さによる乳量の減少が問題 北海道
STVニュース北海道
わたしたちの食卓に欠かせないバター。 2023年は記録的な暑さで生乳の生産が落ち込み、業務用バターが不足しました。 ことしも猛暑が予想されるなか、バターの供給に懸念の声があがっています。 季節の果物を添えたショートケーキに… クリームたっぷりのロールケーキ。 自家製の焼き菓子も並んでいます。 北海道北斗市の洋菓子店では、お菓子作りに欠かせないバターにある懸念を抱いています。 (PATISSERIE ジョリ・クレール 佐々木善史常務)「ことしも猛暑が予想されるということで、去年同様バターの不足が懸念される」 2023年の夏、記録的な猛暑に見舞われた道内。 暑さで生乳の生産が落ち込み、年末にかけて業務用バターが不足しました。 この夏も猛暑が予想されるなか、店は気をもんでいます。 (PATISSERIE ジョリ・クレール 佐々木善史常務)「バターありきで作っていた商品からバターがいらないレシピに改良したり、バターに頼らない商品を今後ラインナップして増やしていくことを考えています」 弟子屈町にある牧場です。 7月上旬のこの日、最高気温は平年より7℃以上も高い27.5℃。 しかも湿度が平均で80%以上で、蒸し暑さに木陰で休む牛の姿も見られました。 この暑さで心配されるのが乳量の減少です。 (渡辺体験牧場 渡辺周平さん)「エサを食べる量が減ってしまうので、まず一番はそこで。エサも食べなくなるので乳量が低下するというのが、一番酪農家としては大きな問題」 バターを作るには大量の生乳が必要となるため、暑さで乳量が減ることでバターの減産につながるのです。 実は、国内のバター在庫はすでに2023年の同じ時期と比べて、およそ2500トン減少。 業務用の需要が高まっていることが背景があります。 農林水産省はバターの安定供給をはかるため、海外産バターの輸入枠を4000トン追加することを決めました。 一方、私たちの食卓にはどのような影響が考えられるのでしょうか。 札幌市北区のスーパーでは品揃えが豊富ですが、年末にかけて無塩バターが品薄になる可能性があるといいます。 (マルコストアー 山川悟史社長)「家庭用のバターについては品物がなくなるとかは考えていないですね。ある程度潤沢に提供できる量は入荷している。食塩不使用のバターについては、ケーキ屋などの業務用の需要が多いので、12月とかの需要期になると品薄の恐れがあるかなと思います」 ことしも厳しい暑さが予想される中、バターが不足する可能性が懸念されています。