「私立に落ちて地元の公立中に行くのは絶対嫌」と言い張る小6娘に悩む母 中学受験のプロならどう声を掛ける?
「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は、小6の娘さんのお母さまからの相談です。 【ランキング】早慶への「合格率」が高い首都圏中高一貫校(全6ページ) 【相談】 東海地区在住で私立受験を考えていますが、まだ私立中学自体が少なく、選択肢は少ないです。私たち夫婦は子ども本人の希望を尊重するスタンスですが、「娘は何が何でも私立へ行くんだ、今さら公立に行くなんて落ちました、と言ってるようなものだから絶対嫌だ」と言っています。中学受験が人生のゴールではないし、もし私立に落ちて公立に行くことになっても、今まで頑張ってきたことは全く無駄ではないのだから、と言っても、聞く耳を持ちません。おそらく6年生になり、不安になっているのだとは思うのですが、先生方でしたらこのような子どもに対してどんな声かけをされますか。(小6女子の母) ■地方では中学受験をする子がレア 安浪:私も東海地方出身ですからよくわかります。やはり中学受験する子はレアなんですよ。みんなが同じ公立中学に行くのが当たり前のなか、遊びの誘いなども断って塾に行っているわけですよね。そんな子が公立に来たら、「あの子、私立に落ちたんだよね」ってバーッと学年中に広まってしまう。そんな状況もわかるから、お嬢さんが「何が何でも私立に行くんだ」という気持ちしか持てないのもわかります。「勉強したことは無駄にならない」というのは大人だから持てる価値観で、子どもはその後3年間、その中学校で生きていかなくてはいけないのですから大変です。 矢萩:これ、とても難しい質問だと思うんですよ。ただし大前提として、ご両親がこういう価値観を持っているのであれば、家庭的にはそんなに心配ないと思います。このようなご家庭に育っているのにそういうことを言うのは、お母様がおっしゃる通り、今、不安が大きくなっているからかもしれないし、あるいは激しいもの言いをする同級生だとか、塾講師だとかに影響されているのかもしれないですね。