『ゴジラ-1.0』には山崎貴の“オタク的こだわり”が満載 次回作はヘドラ登場の構想も?
『ゴジラの逆襲』『ゴジラVSビオランテ』へのオマージュも
例えば戦争の生き残りのパイロットがゴジラに立ち向かうのは、『ゴジラ』シリーズの2作目の映画『ゴジラの逆襲』、ゴジラ細胞と女性という組み合わせは『ゴジラVSビオランテ』を彷彿させます。 ヒロインが乗っている電車がゴジラに襲われるシーンは『キングコング対ゴジラ』。もともと恐竜のような生物だったゴジラが核の力で怪獣化するのは『ゴジラvsキングギドラ』と共通しています。本作では戦争とゴジラの関係が描かれますが、これは山崎監督がファンだという『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』の影響でしょうか? そういえば『大怪獣総攻撃』の主人公の苗字は立花(たちばな)ですが、『ゴジラ-1.0』には橘(たちばな)という重要なキャラが登場します。ゴジラ映画ファンはこういうところも楽しめるし、これが初ゴジラという人も十分堪能できるエンターテインメントです。 さて、山崎監督は今年のニューヨーク・コミコンに参加した際、もし過去の『ゴジラ』シリーズをリメイクできるなら、へドラ(公害怪獣)を出したいと発言したそうですが(※3)、これはぜひ実現してほしい。へドラは“怪獣”というより、物体Xとかエイリアン系のグロいクリーチャーなので、山崎マジックで暴れるところをぜひ観てみたいです。 ところで、ゴジラ好きの友人が教えてくれましたが、ゴジラというのは人を喰う怪獣ではないそうです。この映画の冒頭で、超怪獣化する前のゴジラが軍人たちを襲うシーンがありますが、たしかに人間を口にくわえて放り投げたりしますが、決して“食べてはいない”です。こういうところも山崎監督のこだわりでしょうか。 参照 ※1. https://moviewalker.jp/news/article/1201661/ ※2. https://www.oricon.co.jp/news/2300463/ ※3. https://kaijuunited.com/2024/10/20/takashi-yamazaki-attends-godzilla-70th-anniversary-panel-at-new-york-comic-con/
杉山すぴ豊