初練習に臨んだJ1鹿島の中後雅喜新監督（撮影・佐藤成）

　J1鹿島アントラーズの中後雅喜新監督（42）が9日、オンラインで取材に応じ、意気込みを語った。6日にランコ・ポポビッチ監督が電撃的に解任されたことを受けて、コーチから昇格する形で残り6節を託された。 　今季から鹿島のコーチを務め、シーズン中に監督の立場が変わった。「このクラブで監督、仕事をする責任の重さは感じている。精いっぱいやりたいなという気持ちでいます」と思いを明かした。 　前半戦は首位争いを演じたが、夏場に失速。4位につけているが、前監督に突如、見切りを付けた形だ。自身も今季からコーチとして携わっており、責任は痛感している。「今シーズン一緒に戦ってきたところもありますし、非常に悩みましたけど、やらなければいけないと思いましたし、このクラブを良くするために就任させていただきました」と強い覚悟を持って引き受けた。 　前監督のもと、クラブは攻撃的なスタイルを構築してきた。引き継ぎつつ、いかに失点を減らすのか。バランスを重視していく。 　自身はプロキャリアをスタートさせた鹿島で多くのタイトルを獲得。「常勝」時代を知る。当時を振り返りながら「全員が一体感をもたないといけない。1人1人が役割、責任を持って特にやるべきことを、当たり前のことを必ず遂行できるような力強さ、メンタルの強さがないといけない」と勝者のメンタリティーをもう一度植え付ける。 　残り6試合。優勝の可能性はまだ消えていない。「まず優勝を目指すのは当然このクラブで仕事する上でなくてはならない。1試合1試合どう勝っていくのか」と地に足を付けて1つ1つ勝利を積み重ねていく。 　チームは、監督交代とともに、本山雅志アカデミースカウト（45）とパリオリンピック（五輪）日本代表コーチを務めた羽田憲司氏（42）のトップチームコーチ就任も合わせて発表。ポポビッチ監督とともに退任した吉岡宗重氏（46）が務めていた強化責任者に当たるフットボールダイレクターには、中田浩二プログループマネジャーフットボールダイレクター（45）が就任した。